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年収300万円未満の“ほぼ貧困”層におちいる3つの要因

 15%を超える貧困率(等価可処分所得が中央値の半分を下回る相対的貧困者の割合)が社会問題となっている日本だが、その予備軍の増加も深刻化している。

“ほぼ貧困”に陥ってしまう家族の共通点とは?


「すでにギリギリの生活を強いられ、少しのトラブルがあれば、一気に深刻な貧困状態に陥る。そんな瀬戸際にいる家庭は確かに増え続けています」

 世帯年収300万円未満の“ほぼ貧困”層の増加について、そう指摘するのは、社会福祉士の藤田孝典氏。その背景として「雇用の劣化」を藤田氏はまず挙げる。

「昨今、求人自体は正社員も含めて数多くありますが、あまりにも質が悪い。終身雇用を前提とした、いわゆる日本型雇用とは性質の異なる“名ばかり正社員”が大半。昇給も昇進もなければ、身につくスキルもない。会社側には長期にわたって雇い続ける気もありません」

 そうして20代のうちにまともな職を得られなかった人はその後、よくて現状維持。多くはより劣悪な就労環境を余儀なくされる。

「いまや共働きでなければ、まず家庭を支えられない社会環境にもかかわらず、いまだに30~40代男性が『家族を一人で支えて一人前』といった旧態依然とした価値観にさらされる機会があります。そういったプレッシャーが家庭不和の原因となり、深刻な場合は家庭内暴力へと繫がってしまいます」

 さらに家族とのコミュニケーション不足もまた貧困を加速させる。

「本来は収入が十分でない人ほど周囲とコミュニケーションをとり、支え合う必要がある。にもかかわらず、知人はおろか家族とのコミュニケーションをとらず、残念ながら家計の計画的な運用がままならないケースもあります」

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さらにもう一つ重要な貧困の入り口

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