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「部下のデキが悪い」と思うのはダメ上司の証拠。どこがダメなのか

上司に求められるのは、ジョブスキルではなくヒューマンスキル

 こうした上司と部下のすれ違いを防ぐにはどうしたらいいのだろうか。 「リーダーには、極論すれば“みんなに気持ちよく仕事をしてもらうことができれば、ほかの能力は必要ない”とさえ私は考えています。上司に求められるのは、ジョブスキルではなくヒューマンスキルなのです。  人にはそれぞれ最大限の力を発揮して活躍できるポジションがあります。それには、個々人の“個性”“強み”をリーダーが把握することです」 最強チーム「個性と強み」といっても漠然としているが、山極氏は組織心理学者である小林惠智博士が開発した「FFS理論」というセオリーを用いて分析するのだという。  FFS理論は、人が無意識に考え、行動するときの特徴的な5つの要素の組み合わせと、それぞれの要素の高低による違いで個性が作られていると考える。そして、その5つの要素を定量的に解析し、ストレスがかかったときに思考や行動がどのように変化するかを分析したもの。これによって、個人の強みを客観的に把握できるという。 「ものすごく簡単に言うと、通常の適正判断などでは『発想力があるので企画部門へ』というように、『向いている職種』を判断していました。しかし、FFS理論では、『企画部門のなかで、どういう働き方をしたときに力を発揮できるか』ということを診断します。  それぞれの得意な働き方、どういうとき満足感を感じるか、ストレスがかかったときどういう行動を取りやすいかなどをリーダーがわかっていれば、理想をいえばチーム全員が把握しあっていれば、楽しく仕事ができるようになってきます。異なる個性を組み合わせ、強みを活かし合うことで、自然に実績が出せるようになるのです」 「アイツがやらない」ではなく「どう言えばアイツが実績を出しやすいのか」とリーダーが考えを変えるほうが、生産性アップには早道ということだ。  部下のふがいなさをぼやく前に、我が身を振り返ったほうがいいのかもしれない。 【山極 毅】(やまぎわ たけし) 経営人事パートナーズCEO。組織人事監査協会認定パーソネルアナリスト。1989年、日産自動車入社。在籍中の27年間で、開発、企画、人事の三部門を経験。自動車ビジネスのほぼ全部署、全行程での実務を担当する。2016年に独立し、経営人事パートナーズを設立。近著に『「今のチームで残業を減らして生産性を上げろ!」という無茶ぶりを解決する!
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今のチームで残業を減らして生産性をあげろ! 」という無茶ぶりを解決する!

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