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勝谷誠彦氏、誰も知らなかった素顔「決して“いい人”ではなかったけど…」

 そして帰らぬ人に。その早すぎる死もまた、多くの人にショックを与えた。20代の頃から数多くの戦場取材を勝谷氏と共にした報道カメラマンの宮嶋茂樹氏は「今年8月15日に靖国神社へ足を運んでいた最中に、勝谷さんから電話をもらって『オレの分も参拝しておいてくれ』と。元気のなさは感じましたけど、殺しても死なないような人だから、亡くなったと聞いたときはガセだと思った」と話す。  10年近くWeb番組などで一緒に仕事をしてきたネットニュース編集者の中川淳一郎氏は、訃報に接して後悔にさいなまれたという。 「10月の退院直後に、勝谷さんとも親しい仕事仲間と『酒でも飲んだら勝谷さんも元気になるでしょ』と無責任なことを言ってたんです。僕にとって勝谷さんは恩人。知識人がネットを礼賛するなかで、’09年に僕が書いた『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社)を最初に『面白い』って取り上げてくれたのが勝谷さんでした。巡り巡って勝谷さんに『酒でも飲んだら』発言が伝わっていたら後悔してもしきれない」
勝谷誠彦氏

中川淳一郎さんとの『ヘロヘロ対談』(2015年)

 一方、勝谷氏の紹介により元夫の鴨志田穣(ゆたか)氏と出会った漫画家の西原理恵子氏は同情を隠さない。 「鴨ちゃんもアルコール依存症で、最後は腎臓がんで亡くなったでしょう。アル中がアル中を連れてくるなんて、どうしようもない話だけど(苦笑)、彼らはそれこそ何十年とツラい病気と闘ってきたんです。勝っちゃんなんて、勉強ができるお坊ちゃんだから、実は気が小さい。虚勢を張って、一生懸命“勝谷誠彦”を演じてきたんです。だから、鴨ちゃんの気持ちがわかったんでしょうね。鴨ちゃんの葬儀に駆け付けてくれたときに、わんわん泣きながら『お疲れさま』って声をかけてくれたんです。今度は私が勝っちゃんにお疲れさまって言ってあげたい」  複雑な思いを抱いているのは、20年来の付き合いがある酒造会社「旭酒造」の桜井博志会長だ。 「ある雑誌の取材で来られて、その晩にうちの『獺祭』を扱っている焼き肉屋に招待したら、ずっと『焼き肉なんて食わせやがって純米大吟醸が台無しだ』と文句を言われてね(苦笑)。それ以降、勝谷さんは怖いご意見番。『つまらん酒をつくったら怒られる』というプレッシャーがついて回るようになった。そんな勝谷さんが、まさかお酒で体を壊すなんて……言葉を失いました」  勝谷氏を偲びながらも、毒気たっぷりの思い出話が飛び出してくるのは、そのキャラクターのなせるわざだろう。宮嶋氏も次のように話す。 「勝谷さんは役者。昔2人で北朝鮮を潜入取材に行ったとき、突然ガイド役に『米帝に騙されていたことに気づきました!』ってまくしたてて取り入り、一人だけ金日成バッジをもらったことを鮮明に覚えています。そのほか、人の手柄を自分の手柄にするのは日常茶飯事。コノヤローと思ったことも数え切れません。でも、圧倒的な才能が伴っているから許さざるを得ないんです……」  高橋氏も苦笑しながら話す。 「うつになって呂律が回らない勝谷を使ってくれた番組の降板が決まったら『潰れろ』とけなし、県知事選では頑張ってるボランティアの前では『オレがカネを出してるんだから当然』と言う。決していい人ではなく最低の男なんですけど、面白いことを考えることにかけては天才的だから笑いも絶えない。いなくなったら寂しくなる、愛すべき友人でした」  果たして勝谷氏はどう反論しただろうか?  稀代の辛口コラムニストに対する送る言葉も実に辛口だった。 取材・文/週刊SPA!編集部 写真提供/高橋茂(世論社) ※週刊SPA!12月4日発売号「今週の顔」より
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週刊SPA!12/11号(12/4発売)

表紙の人/ 中島健人

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