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サイボウズ青野社長「夫婦別姓を認めないで税金100億円超をドブに捨てる政府に呆れる」

ルールを変えることを怖がる日本人

――女性の問題だと思われていた別姓問題を、男性である青野さんが発することで問題意識が抱かれやすくなるということですね。 「そうです。しかし意外だったのは、別姓に賛成の方からも『お前のは本物の夫婦別姓ではない』と後ろから刺されたことです(※)。そうではなくて僕をうまく利用してほしいと思っています。『男が出てきた、ラッキー!』と思って僕のところに取材に来る女性はたくさんいます。ぜひうまく利用して世論を動かしてほしいと思っています。賛成派同士が分断してしまったら、動きに足止めがかかってしまう。求めているのは『生まれ持った名字を使い続けられること』で、目的は同じはずです」 ※編集部注:青野氏らが求めているのは「戸籍上の夫婦別姓」。それに対して、一部の論客からは、不平等な規定のある民法そのものを変えなければ意味がない、という主張も出ている。 青野社長――男性でも姓の問題で不便を感じている人はいるようです。周りにも、母親の実家の姓を継ぐ人がいなかったため、両親が離婚して母が旧姓に戻り、同時に自分も20代になってから母の旧姓に変更したという男性がいました。改姓はとても嫌だと言っていましたが、これも選択的夫婦別姓が実現していれば起こらなかったことです。しかしそう男性に伝えても、キョトンとしていました。いくら不具合があっても「ルールだから」と納得してしまっているようです。 「日本人はルールを変えるのを怖がる傾向にありますし、守ろうとしますよね。就業時間だって、1日8時間って誰が決めたんでしょう? なのにみんな8時間働こうとしますよね。でもそもそもルールは自分たちのためにあるんです。不具合を感じるなら変えればいい。なのにそこになかなか踏み込めないんです。  夫婦に同姓を強要することで、もしかしたら機能していた時代もあったのかもしれません。でもこれだけ女性も当たり前に仕事をするようになり、パスポートなどの公的書類を使ったり、いろいろな場所で自分自身の名前を使う時代になりました。そうした状況に照らし合わせると、改姓することも通称を使用することも不具合が多いでしょう。そろそろ現実に即して法律を直しませんか、ということだと思うんです。 ただ、別姓を強制しようという話ではなく、同姓にしたい人は同姓にできるのが『選択的夫婦別姓』です。誰にとっても損をしない法改正なので、興味のない人でも是非賛成してほしいですね」  青野氏らの訴訟はこの日結審し、判決は2019年3月25日に言い渡される。 <取材・文/和久井香菜子>
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