エンタメ

無実の強姦罪で恋人が逮捕され…『ビール・ストリートの恋人たち』監督インタビュー

映画は人と人をコネクトする手段

――映画を作るモチベーションはどこから来るのですか?
バリー・ジェンキンス監督

©︎Yoshiyuki Uchibori

ジェンキンス監督:こうやってこの場で君たちと話すこともモチベーションのひとつです。私は小さな街で生まれ、恵まれた環境には育ちませんでした。それなのに、映画を作ることで自分の世界観が広がる……。東京に来て、自分の物語を様々な人たちと共有しコネクトする……。  でもね、本当のことを言うと、私はほかに何もできないんですよ!(笑) 話すことと映画を作ることしかね!(笑)あ、美味しいコーヒーを淹れるのは得意だけど(笑)。  そうは言っても、私にもかなりダークな部分があって。「人生とはなにか?」なんて答えのないことを問い続けたりするわけです。でも、映画を作り始めてから、なんて言うんだろう、人生への問いかけに少し近づいていっている気がしますね。 ――監督にとって映画とは何ですか? ジェンキンス監督:今でもその答えを探しています!(笑) 人生のステージによって、その答えは変わるかな。子供の頃は素晴らしい体験をさせてくれるもの、学生の頃は人生そのもの。学生の頃は本当にたくさん映画を観ました。  考えてもみてください。『ムーンライト』の子供がウォン・カーウァイやクレール・ドニの世界に入ってしまった。まさかいつか自分がフィルムメーカーとして東京に来て、君たちと自分の世界を共有する日が来るなんて、想像もしませんでしたよ。  そう考えると、映画は人と人をコネクトする手段だと思います。現代はSNSによって世界が狭くなり人と簡単に繋がれるようにも思えますが、私たちはなぜか人と距離を置いてしまいがちです。映画は、そんな“人と人の距離”を壊してくれるものかもしれませんね。 ビール・ストリートの恋人たち(取材・文/此花さくや)
1
2
3
【タイトル】『ビール・ストリートの恋人たち』
【公開表記】2019年2月22日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
【クレジット】(c)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.
【配  給】ロングライド
おすすめ記事
ハッシュタグ