雑学

お金がなくて介護を受けられない「明日は我が身」の惨状

「真面目に働いていたはずなのに、悲惨な老後が待っていた」。これが今の日本の現実なのか。
「65歳以上のいる世帯」の相対的貧困率は27.0%にのぼり(厚生労働省の「国民生活基礎調査」2015)、生活保護世帯の45.5%が65歳以上なのだ(厚生労働省「生活保護制度の現状について」平成29年5月)。

介護施設

※写真はイメージです

お金がないと介護も受けられない実情


 心身が衰えて一人だけでは生活していけなくなったとき、貧困老人たちはどうなるのだろうか。行き着く場所の一つが介護施設だ。月額20万~30万円払えるなら民間有料老人ホームに入れるが、お金がなければ公的な特別養護老人ホーム(特養)などに入るのが現実的。だが特養は満杯で、一施設平均117人もが入居待ちの列をなし(2017年、福祉医療機構調べ)、何年も入れないこともあるのだ。

絶望の超高齢社会』(小学館/2017年)の著者で、自らも介護施設を経営した経験のある中村淳彦氏は「最もひどいのが『お泊まりデイサービス』。まさに生き地獄でした」と、その惨状を語る。

 お泊まりデイサービスとは、高齢者が通所して日中の介護サービスを受けたあと、そのまま施設に宿泊できるというもの。特別養護老人ホームなどが満杯で入れない人の受け皿として、お泊まりデイサービスが利用されているのだ。
 もともと日中用の施設で、お泊りは介護保険対象外なので規制がゆるく、きちんとした施設とひどい施設の差が大きいと言われている。
 

施設で大暴れした認知症の元組長


 こうしたお泊まりデイサービスで、現代の「姥捨て山」のような場面に遭遇したことがあると中村氏は言う。

「ある利用者さんを迎えに行くと、家族が離れのような蔵の南京錠を開けて、中から『早く連れていけ!』と言わんばかりに利用者さんを連れてくるのです。『早く死ね!』とも罵倒していました」

 また、認知症になると、本性が剝き出しになる人が多いという。かつて中村氏の施設には、認知症になった70代のヤクザの元組長がいた。

「認知症を理由に、組織から追放された組長です。全身和彫りにオムツ一丁で施設の中を徘徊し、誰彼構わず暴力を振るおうとする光景は凄惨でした。組長は風呂嫌いだったので、職員が『組長、こちらへどうぞ』などと言ってうまく誘導するのですが、風呂だとわかった瞬間に大暴れでしたね」

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誰にとっても「明日は我が身」

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