仕事

歌舞伎町で10億円稼ぐ女社長が教える、ビジネスシーンで役立つ「1000時間の法則」

人生全てを水商売に捧げてみえたものとは?

 それから、大学を卒業して、日本オラクルに就職します。昼間の仕事を経験してわかったのは、「これはわたしに向かない」ということでした。それを悟ったとき、わたしは「是が非でも水商売で売れないと、もう未来がないのだ」と、お尻に火がついた感じがしました。  とはいえ、わたしは何事にも保険をかけるタイプなので、すぐに昼間の仕事を辞めませんでした。寝る間も惜しんで、一日中水商売のことばかり考えて、水商売に関わる本は全部読んで、人生すべてを水商売につぎ込んだ結果、3か月目にようやく、その店でナンバーワンになりました。  振り返ってみると、なんと、その時一番役に立ったのが、その前の7年間で水商売という業界で、のんべんだらりと働きながら、見聞きしていたことだったのです。わたしの場合、やる気がなかったのでクビになったり、自ら辞めたりを繰り返していたので、7年間で見聞きしたものの数は、膨大な量でした(安スナックから高級クラブまで星の数ほどの店で働き、注意深くみていればもっと気づくことがあったのでしょうが)。  勉強なら本があり、わからなければ先生が教えてくれますが、仕事はそういうわけではありません。もっとわたしの性格が素直でかわいかったら、いいメンターさんがついて手取り足取り教えてくれたのかもしれませんが、わたしにはそんな人はいませんでした。  そうなってくると、結局、自分が実際に目で見たものと、耳で聞いたことがすべてになってきます。それらを実践して、うまくいかなかったものは捨て、うまくいったものを取り入れていくという作業を繰り返していくしかありません。

どんなキャバ嬢でも半年出勤すれば指名がつく

キャリア そうなってくると、1000時間というのが純粋に【一日の労働時間×日数】というわけではないということがわかります。わたしは、恥ずかしながら、水商売の技術を習得する1000時間までになんと、約7年も費やしてしまったのです。  自分のお店を開業してから本当によく思います。どんなにかわいくなくて、口数も少なくて、サービス精神もなくて、絶対に水商売に向いてないだろうと思われるキャバ嬢でも、半年間、休まずに毎日出勤していれば、徐々に指名がつくようになっていきます。  でも、キャバ嬢に向いてないだろうと思われる子のほとんどは、心が折れてすぐに辞めてしまうので、売れないのに半年間も休まずに毎日出勤することができません。キャバ嬢のエースは、きれいで才能やセンスがある人ではなくて、そういう滅多にできないことを地道に続けられる人なのです。  みなさんも、物事を習得しようと思ってなかなか成果がでないときは、はじめは質より量だと思います。量がある一定以上に到達すると、自然と質がいいとか悪いが、わかるようになってくるような気がします。そして、習得するまでには時間がかかるんだということを、1000時間の法則を思い出してみてくださいね。 <TEXT/内野彩華>
新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ。著書『劣等感を力に変える 成り上がる女の法則』が発売中

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