競輪平成のベストレース…鈴木誠が切り開いた平成の競輪、将来を嘱望された岡崎孝士
平成中期「吉岡神山時代」を支えた若手選手の輝き
2強が激突すると、競輪の場合はどちらかが作戦失敗に終わり両立は難しい。しかし、岡崎の奮闘によってそれは実現した。 「岡崎は9着でしたが観客から役目を果たした彼に対して辛らつな言葉を投げかける客はいなかったと記憶しています。そして大会をこのレースを見届けたファンは、近い将来吉岡の追い込みを振り切ってG1優勝を成し遂げるだろうと確信を持ったと思います。残念ながらその期待は幻となりましたが…」 岡崎はこの西武園ダービーをピークに成績は緩やかに下降していき、平成23年(’11年)に引退、バンクを去った。 「岡崎は腰を悪くしたと言われてます。一流選手の条件は体が頑強であることも必要だとは言えるでしょう。また、タイトルを掴むだけの運がなかったといえばそれまでだとも思います。G1の決勝には乗ったことのある選手で考えれば過去にいくらでもいます。 でも岡崎にせよ、十文字にせよ、一瞬の強烈な輝きを体感した身としては、もし岡崎が十文字が輝きを失わずにタイトルを取っていたら競輪界はどんな未来が待っていたんだろうと思いを馳せてしまうのです。それと同時に二人が輝くことを許さず、長い間頂点に君臨して時代を築き上げた吉岡と神山の凄さを改めて思い知らされますね」 時代の節目、そして平成新時代に将来を嘱望された若手の輝き…人がおりなす競走からこそ、ただ「勝った負けた」だけではないロマンがそこにはあるのかもしれない。 平成競輪後半編は後日公開予定。 【政春氏】 競輪予想ブロガー。競輪勝負師の父により子供の頃から鍛え抜かれた競輪予想のサラブレッド。ほぼ毎日厳選予想をブログ「競輪予想はじめました」に掲載中。Twitter:@keirinmasaharu <取材・文/佐藤永記(シグナルRight)>公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。
Twitter:@signalright
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