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700万円の課金地獄…中年[ゲーム依存症]が急増中

脳が萎縮、判断力も低下。700万円の課金地獄

 暴力と並んで深刻なのが、金銭面でのトラブルだ。続いて三宅氏が挙げたのは、30代後半男性の相談事例である。 「多額の借金をしてしまうほどソーシャルゲームにお金をつぎ込み、とうとう我慢の限界を超えた奥さんとケンカに発展。何度も話し合いを重ねて、もうゲームにお金はかけない、と約束したものの、結局我慢できず数週間後には課金。際限なくお金をつぎ込んでしまうこのケースは、ギャンブル依存症と非常によく似ています」  ほかにも、人気ソーシャルゲーム「モンスターストライク」で700万円もの課金した猛者もいるというから、ゲームの“魔力”は侮れない。 ゲーム依存 しかもゲーム依存症の決定的な恐ろしさは、脳に器質的なダメージを与える点にある。前出の岡田医師は、こう警鐘を鳴らす。 「近年の研究でも、ゲームを長時間かつ長期間やるにつれて、衝動や感情をコントロールする脳の領域が萎縮することがわかっています。具体的な症状として、慢性的な睡眠障害、仕事への意欲の低下、セルフネグレクトにつながる注意力や記憶力の低下、鬱状態や無気力、社会性の低下、攻撃性の増大などが見られます。ゲーム依存症の怖さは、麻薬中毒や覚せい剤中毒とまったく同じ。いや、それらよりも依存性は強いのかもしれません。ゲームは『現代のアヘン』といっても過言ではないのです」  子供の依存症なら早い段階で親が異変を察知するケースも多いが、中年の場合は自分で気づかなければ治療のテーブルにすら乗れない。ゲームを少しでもたしなんでいる諸兄は、ご注意あれ。 【岡田尊司氏】 京都大学医学部卒業。精神科医。京都医療少年院を経て、現在は岡田クリニック院長。著書に『インターネット・ゲーム依存症』(文春新書)など <取材・文/福田晃広・野中ツトム(清談社) 写真/ぱくたそ> ※週刊SPA!6月18日発売号「中年[ゲーム依存症]の地獄」特集より
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週刊SPA!6/25号(6/18発売)

表紙の人/ 岡田准一

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