小さな会社を立ち上げたが、「思い上がり」だと気づいた
お次は「自身の思い上がり」で仕事をしていたことに気がつかされたという、元商社勤務の山岡真司さん(仮名・20代)のエピソード。

「とある希少鉱物を必要とする部品の代替品、とされる部品の調達商談にこぎつけたのは入社後3年目のことでした。上司をなかなか説得できなかったのですが、若いなりにあらゆる手を尽くし、これで日本の産業界が変わる! と、鼻息荒く仕事をしていたのです。結局上役の決済が通らず、どうしても納得できなかった私は仕事を辞め、自身で会社を立ち上げ、代替品を仕入れて売ろうと考えました」
親などからの借金で小さな会社を立ち上げたまでは良かったが、直後に代替品の納入業者とは音信不通に。さらには、筋悪の仕手筋などが関わる詐欺業者であることが発覚。実はかつての上司も、そこまでのことを考えての“判断”だったことものちに判明するが、結局山岡さんは見抜くことができなかったというのだ。
「年収は700万円ほどありましたが“マヌケ”のレッテルを貼られて、今では笑い者です。誰かが注意してくれれば思いとどまったのか……。当時、上司を“分からず屋”とバカにしていたことが全て跳ね返ってきたような感じです」
山岡さんはその後、大学院に進学。屈辱をバネに再起を目論んでいる。