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香港デモ、永住日本人タレント・Rieが明かす真実

今回の抗議活動には子供たちも多数参加

今回の抗議活動には子供たちも多数参加

警察に対する反発心から団結力は強まる

 背景にあるのは、改正案への反発心と香港警察に対する強い不信感だ。 「香港警察はジャッキー・チェンの映画にもなったように、香港人に愛される存在でした。私も香港警察グッズをたくさん持っていました。ところが、雨傘運動で催涙弾がバンバン発射されて警察不信が募るようになり、今回のデモで完全に市民の敵になってしまった。7月21日には白シャツ軍団などと言われる暴力集団100人以上が駅で一般市民をも巻き込みながらデモ隊を襲撃して45人を負傷させましたが、1か月以上たった8月22日にようやく3人が起訴された状態。  一方で、抗議者や抗議者と疑われた一般人は2か月で700人以上も逮捕されている。親中派の香港議員が白シャツ軍団と握手を交わす映像が残っているので、彼らは政府側と繫がりがあると考えるのが普通。だから、警察は見逃しているのでは?と言われています」  そんな危険と隣り合わせの現場にもかかわらず、一向にデモ参加者が減る兆しはない。むしろ警察に対する反発心から団結力は強まっている。 「9月2日から学校の新学期が始まりますが、中高大学生が授業のボイコットを呼びかけています。そのため『ごめんなさい先生。私たちは学校に行きません』とメッセージを発信する学生もいるのですが、先生たちも『大丈夫。私たちも一緒にデモに行くから』と返しているような状態なんです。だから、たとえ中国が軍を投入しても、抗議者の心を折ることはできない。一時的に、家に帰って寝るだけ。仕事もせず、学校にも行かず、香港が完全停止して中国の軍が引き揚げたら、またデモに繰り出すとみんな口々に話しています」  香港の自由を守る戦いはまだまだ続きそうだが……これ以上の負傷者・逮捕者が出ないことを祈りたい。 ▼ネット上でも抗議者に圧力をかける中国の影……Rieさんのツイッターには毎日のように「殺す」といった脅迫文が届くという。その背後にいるとされているのも中国政府。実際、米フェイスブックとツイッター社は今回の香港デモで「900件を超える不正アカウントが中国政府による情報操作に使われていた」と名指しで批判している。この中国のネット対策を担う部隊は「五毛党」と呼ばれる 【Rie】 ’04年から香港で芸能活動を開始。その傍ら、抗議活動にも参加するRieさん。ツイッター(@japanavi)では今回のデモの情報を毎日配信中 取材・文/週刊SPA!編集部 写真/AP/アフロ ※8/27発売の週刊SPA!「今週の顔」より
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週刊SPA!9/3号(8/27発売)

表紙の人/ 松本穂香

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