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深夜に社長から「グズだな」とパワハラメール。43歳社員がうつ病で倒れるまで

心労の多い職場とは適度な距離感を保ち心のバランスを取る

 さらに転職先でも受難は続く。同僚に理不尽に無視されたのだ。 「被害妄想が止まらなくなり、一時は錯乱状態に陥った。家では14歳の娘を突き飛ばしてしまい“さすがにまずい”と思いましたね」 ビジネス 精神科ではうつ病と診断され、半年間の休職を余儀なくされた。 「今は復職していますが“会社のために働くのではなく、自分がしたい仕事をするために、会社を利用するんだ”と考えるように。家族との時間を最優先しています」 「当時は家族と過ごす時間もほとんどなく、常にイライラして娘にもつらく当たってしまった」と当時を振り返り反省する。いまや会社の枠を超え同業者とも積極的に交流する矢内さん。 「会社とは少し距離を置きながら、自分が楽しく思える仕事をしたい」  職場への適度な割り切りも、心穏やかに働くひとつの策なのだ。

人材育成コンサルティング企業代表の前川孝雄氏の見解

「会社への忠誠心や責任感が強い人、仕事を断れない人、仕事ができる人に業務が集中してしまう。我慢しがちなこともあり、彼らは特に心が折れやすい。また『生産性向上』のため、どの企業もギリギリの人員で業務を回しているので、スタッフ同士の助け合い精神も生まれづらい。これらも職場うつを生む一因ですね」 <文/週刊SPA!編集部>
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