更新日:2023年04月27日 10:00
エンタメ

なぜ今さら『ターミネーター2』の続編なのか? 72歳になったシュワちゃんが語る

72歳と63歳が挑むアクションシーン

 帰ってきたのはキャメロンだけではない。『T2』で伝説的なアクション女優となりながらも、その後は一切このシリーズに関わらなかったリンダ・ハミルトンが復帰しているのだ。 「彼女とは『T2』以来だけど、撮影が始まってすぐに凶暴で野性的なあのサラ・コナーに戻っていたね。でも、本当は優しい人だよ。撮影にカットがかかると、彼女は僕にもたれてキスをしてくれる。どうやってその切り替えをしているのかは謎だよ。  僕は72歳、彼女は63歳だけど、お互いできる限りのスタントは自分でやると決めていたから、トレーニングも撮影もすごくハードでね。たとえば、彼女に大量の水が容赦なく降りかかるシーンがあるんだけど、それでも文句ひとついわずに、クールにこなしていた。監督も僕も『信じられない!』と思ったよ」  最強タッグで甦るターミネーターだが、28年前を懐古することはあるのか? 彼は「あの頃へのノスタルジーはあるね」と認めながらこう振り返る。 「懐かしいけど、だからといって今の時代が嫌いなわけじゃない。大好きだし満足している。それは、僕が故郷のオーストリアが好きだけど、今はアメリカに住んでいてハッピーだっていうのと同じ。2つのベースがあるんだよ。僕は’80年代にアクションスターになり、それが一大ジャンルになったけど、結局のところ僕はその一部でしかない。  シルベスター・スタローンやジャン=クロード・ヴァン・ダム、スティーブン・セガールなど、あらゆるスターがこのジャンルを支えてくれた。壮絶なアクションに銃、徹底的な暴力描写に、分厚い筋肉の主役といったこのジャンルのスタンダードを、僕らがつくり出し、関わることができたのはラッキーだと思っている。  今だって、その牽引役をできていることに満足しているよ」
ターミネーター:ニュー・フェイト

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もはやレジェンド!『T1』『T2』の何がすごかった?

<ターミネーター(’84年)> 舞台は’84年のLA。AIに支配された未来から、抵抗軍のリーダーの母サラを殺すためターミネーターが襲来。製作費の10倍以上となる世界興収7800万ドル超を稼ぎ出した。キャメロンが見た悪夢が着想の基になっており、冷戦激化時の時代背景を生かした物語が斬新だった。 <ターミネーター2(’91年)> 舞台は前作の10年後。新型ターミネーターがサラとジョンを狙う。そこに改造されたターミネーターが彼らを守るために送り込まれる。日本でも興収87億円超、世界興収5億ドル超を稼ぎ出したSF映画の金字塔。少年とロボットの友情を軸にした物語が万人に受け入れられた。 【アーノルド・シュワルツェネッガー】 ’47年、オーストリア生まれ。’84年の『ターミネーター』で大ブレイクして以後、世界的アクションスターとして名を馳せる。’03年、カリフォルニア州知事就任に伴い俳優業を休業していたが、’10年に復帰を果たした <取材・文/よしひろまさみち>
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●『ターミネーター:ニュー・フェイト
監督/ティム・ミラー 出演/アーノルド・シュワルツェネッガーほか 配給/20世紀フォックス映画 11月8日より全国公開
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