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東京五輪マラソンを札幌で開催するメリットをMGC観戦から考えてみた

移動観戦組で地下鉄が大混雑に

 スタート地点では東京マラソンより人出が少ないように感じていましたが、沿道の人出は東京マラソンに負けずににぎやか。そして、沿道以上ににぎやかだったのが電車のなか。東京マラソンでも「移動観戦」をする人はたくさんいるのですが、今回はいつも以上に移動観戦組が多い気配がします。  さっきまでスタート地点にいた人が同じ道を通って信濃町駅にダッシュし、浅草橋駅についたところで再び沿道へとダッシュしていき、さらに選手たちが通過するとまた駅へと引き返していくではありませんか。まるで一団のマラソンランナーのように、次なる目的地である新橋方面を目指し、都営浅草線・浅草橋駅のホームに突っ込んでいく同志たち。 「この人たち、僕と同じこと考えてる……!」  おそらく事前にどうやって移動すれば上手く「移動観戦」ができるか考えていたのでしょう。乗り換えなしの直通移動を狙って、信濃町⇒浅草橋⇒新橋という完全に同じコースで動いている人さえ見受けられます。当然、同志たちは東京メトロ銀座線・新橋駅からゴール地点最寄りの銀座線・青山一丁目駅へ直行できることも承知の上なのでしょう。  そんな同志たちが新橋駅から少し離れたコース沿道へと一斉に駆け出していく頼もしさ。地図を見るまでもなく、「絶対にこの人はマラソンの移動観戦だ!」とわかる手旗などを持った人を追いかけていけば、ちゃんとコース沿道まで誘導してくれます。お互いに「この人は……」とわかる同志たちは、いつしか「もう少しです、頑張りましょう!」といった協調のムードに。ラジオを聴きながら「間もなく女子の先頭が通過します!」などと教えてくれる人まで。すごい一体感です!

新橋駅付近では男子の先頭集団からは大きく離され、後方集団しか応援できず

女子の先頭グループはしっかりと応援できました!

 新橋駅付近で女子の先頭を見送ったころ、男子はすでに30キロ地点を通過しています。もはや途中で刻む余裕はなく、あとはゴール地点へ先回りするしかありません。そして、予定どおり東京メトロ銀座線に乗り込んだわけですが、車内は大変な混雑具合。通勤ラッシュ以上の乗車率で身体がつぶされそうです。 「銀座線ってそんなに混む路線だっけ……?」と思って周りを見ると、大半が「移動観戦」でマラソンを見ていると思しき人たち。そこで僕はようやく気づきます。東京マラソンより妙に車中が混雑している気がするのも当たり前です。だって、東京マラソンでは移動観戦するくらいのマラソン好きで元気な人は、「ランナー」としてコース上にいるのですから!  2019年の例で言えば約3万8000人の市民ランナーが、東京マラソンのコース上にいました。その人たちが今日は応援にまわっている。マラソンを完走できるくらいの人たちですから、移動しながらの応援も億劫ではないのでしょう。どうりで、しっかりランナーウェアを着ていたり、やたら走るのが軽快なワケです。よく見たら大学陸上部のウェアを着込んでいる集団も。そんな移動観戦組が一斉にゴールを目指したら、銀座線の輸送力では追いつくはずもなく……

ゴール最寄りの東京メトロ銀座線・青山一丁目駅ホームは大混雑!先についた乗客がホームから脱出する前に次の電車が来るペース!

駅を出たあとはコースを目指して市民マラソン大会の様相!

沿道まであと少し!集団が駆け抜けていきます!

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観戦するファンにも過酷な暑さ
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