ニュース

ヤフー×LINEの電撃統合に隠された孫正義の狙いとは?

ZOZOに次ぐ超大型M&Aでもグループの業績は「ボロボロ」?

 ただし、足元のソフトバンクGには不安要素が……。’19年7~9月期決算では、連結最終損益が過去最悪の7001億円もの赤字に転落。11月6日の会見で孫会長は「ボロボロでございます。真っ赤っかの大赤字」と反省の弁を述べたのだ。それだけに、厳しい台所事情から今回の統合を進めたと見る向きも。長年、ソフトバンクGをウオッチしてきた闇株新聞氏が解説する。 「大赤字の最大の原因は、ソフトバンクGとSVFを通じて約1兆円も投資してきた米シェアオフィス大手のウィーカンパニーにある。今年9月に米ナスダック市場への上場を目指していましたが、累積赤字とコーポレート・ガバナンス上の問題から延期に。  これを受けて創業者のアダム・ニューマン氏を1800億円もの“退職金”と引き換えに追い出しましたが、株の評価額は大暴落。ピーク時には470億ドル(約5兆円)としてきたウィーカンパニーの時価評価額を80億ドル(約9000億円)に引き下げたことで、ソフトバンクGで5000億円、SVFで3700億円もの損失が発生したのです。  このSVFは10兆円ファンドとして’17年に運用を開始しましたが、サウジアラビアが出資した約4兆円はソフトバンクGが年7%の配当と元本返済を保証している優先出資分で、残りの6兆円の普通出資分の半分がソフトバンクGのお金。  つまり、運用リスクの大半をソフトバンクG自身が被っている。にもかかわらず、運用は失敗続き。上場間近に投資した米ライドシェア大手のウーバーは上場時の初値から30%値下がりし、SNSアプリの『Slack』で知られるスラック・テクノロジーズも初値から50%近く、中国ネット保険大手の衆安在線財産保険は60%以上も下落。  さらに『TikTok』で知られる中国のバイトダンスはSVFの投資先として最も有望視されていたのに、’17年の米動画投稿アプリ・ミュージカリーの買収に際して、対米外国投資委員会(CFIUS)の承認を受けていなかったことが発覚。米国での上場は絶望的なため、投資回収は困難でしょう」
LINE

LINEの出澤剛社長

 要は、すっかり本業と化した投資事業をカバーするために、LINEを取り込んだというのだ。 「主軸だった携帯電話事業を昨年、ソフトバンクとして上場させ、ソフトバンクGは2兆6000億円を調達しましたが、その直前には子会社ソフトバンクに1兆6000億円の借り入れをさせて、本体の自社株買いや有利子負債の返済に充てました。LINEの取り込みにはグループ資産を高めると同時に、携帯子会社と同様、“財布”代わりにする狙いがあると見ています」(闇株新聞氏)  孫会長の考えやいかに……? 経営の立て直しとアジア覇権を一気に実現するウルトラCに期待したい。 ▼ヤフーとLINEを結びつけた携帯電話と銀行  ’16年にLINEはモバイル通信事業へ参入したが、思うように事業拡大できず、LINEモバイルは今年4月にはソフトバンクに子会社化された。また、LINEはみずほと共同でネット銀行の開業を進めているが、「みずほFGはソフトバンクGのメインバンクであり、SVFの大口出資者。みずほが資金不安からヤフーとLINEの統合を進めた側面もある」(闇株新聞氏)という。 <取材・文/週刊SPA!編集部 写真/産経新聞社 時事通信社> ※週刊SPA!11月19日発売号より
1
2
週刊SPA!11/26号(11/19発売)

表紙の人/ 鈴木 聖

電子雑誌版も発売中!
詳細・購入はこちらから
※バックナンバーもいつでも買って、すぐ読める!
Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事