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さらば青春の光・森田が日本代表になったスポーツ「モルック」の魅力を語る

初めて30分で東京大会に出場!そしてモルック日本代表に!?

――ルールは単純ですが戦略は奥が深いですね……。ちなみに、モルックを始めたきっかけは? 森田:サンドウィッチマンさんの番組で、富澤さんに「趣味がないので何か面白いモノないですかね?」と聞いたんです。そしたら「モルックっていう面白いスポーツがあるから、それやってみろよ」と言われたのがきっかけですね。  先輩がせっかく教えてくれたので、モルックのことをタイークの金井と調べて、モルック協会のホームページにたどり着きまして。そこにメールをしたら後日、びっくりするくらいの長文の返信が来たんです(笑)。「こんなに丁寧に返信もらったのだから、逃げられないですよ」てなって(笑)。練習日を教えてもらって、ふたりで行ってみました。 サラバ森田――初めての練習ではいかがでしたか? 森田:それが、練習を初めて30分後にいきなり東京カップという大会に出たんですよ! そこでたまたま10人中の4位に入ることができまして。それで協会の方に「世界大会はあるんですか?」と聞いてみたら、今年はフランスで世界大会があると。しかも日本代表になる資格は“フランスまでの旅費があること”。じゃあ、「旅費なんとかするので、日本代表になってもいいですか?」と聞いたら、「いいですよ!」と。モルックを始めて1時間後くらいには日本代表になっていました(笑)。 森田:そのあと練習会に何度か行って、上手くなってきている実感が出てきまして。モルックを初めて1カ月で、東京大会に出場しました。この大会は、地方各地からモルッカーが集まってくるほぼ“全国大会”のようなもの。  いままでの練習会の雰囲気とは比べ物にならないくらい、みなさん真剣にモルックされていましたね。われわれは動画を撮っていたのですが「ちょっと撮るの止めて」って言われるくらい、競技に集中されていました。それが普通だと思っていたんですが、フランスの世界大会の予選ではお酒を飲んでプレーする人もいるし、自由な雰囲気に驚いちゃいましたね~。

クラウンドファンディングで旅費を集い、世界大会へ!

――フランスへの旅費はどうされたんですか? 森田:クラウンドファンディングを活用しまして、1日で目標金額はおかげさまで達成できまして。そこからあれよあれよという間に、300万円を超えましたね。ご協力頂いた方には、本当に感謝しています! 世界大会に行くことが決まってからは、この公園で金井と時間を見つけて練習していました。 ――世界大会に出場されたときの「キングオブモルック」という名前の由来は? 森田:もちろん“キングオブコント”にからめて決めちゃいました。でも、協会の人から「あまり相手を刺激するような名前は良くないですよ」と言われまして(笑)。なにせ“モルックの王者”という意味なんで、相手を挑発することになりかねないと。でも、キングオブモルックってうたっているけど、ボロ負けしたら笑い話になるなって開き直りました(笑)。 ――実際に世界大会に行ってみてどうでした? さらば青春の光森田森田:世界のモルッカーは、身長がある人が多くて腕が長い。リーチがあるので簡単に当てているように見えました。逆に日本人は、リーチで負けているぶん、緻密さで小技をきかせつつ戦略をうまく使って勝っていくしかないなと。 ――印象に残っている選手や面白かった方は? 森田:大会に行く前から、フィンランドのモルックの神様といわれる“ヤケ”という選手がすごいと聞いていたんです。ヤケはもう63歳なんですが、その人が世界で一番強いとウワサされていて。で、世界大会に行ったときに練習試合もさせてもらったんです。  そしたら確かにめちゃくちゃうまい! ただ、ヤケも上手だったんですが、その弟子の“ヨニ”が負けず劣らず……というか、もうめちゃめちゃうまくて。ヨニは180㎝くらいの男前の選手で、ピンポイントでスキットルに当てていく。いくつかピンが重なっていても、1本だけ倒すのがものすごくうまかったんです。「モルックの世界でも、世代交代感は否めないのかな」って感じはしましたね。“ヤケ”の時代から、“ヨニ”の時代になるんじゃないかなと。 ――世界のモルッカーと日本のモルッカーの違いはありましたか? 森田:ボクらは日本で「モルックはマナーのスポーツ」って教えられてきていたので、人が投げたモルック棒を拾いに行ったり、率先してピンを立てたりしていたのですが……。世界のプレーヤーは全然やってませんでした(笑)。  最初は自分たちだけでなく、相手の投げたモルック棒も取りに行っていたのですが、地味に体力を消費してしまうので、途中から辞めましたね。そしたら、海外の選手も自分でピンを立てに行ってました。

1次予選は無敗で通過! 2次予選で延長戦まで行ったが惜しくも……

――そして、世界大会の結果はどうでしたか? 森田:1次予選は8チームで総当たりでしたが、無敗で1位通過。2次予選は4チーム一緒に4試合して、合計得点で争いました。フィンランドのチームがずば抜けて1位だったので2位通過を狙おうとしていたのですが、最後フランスと同率2位になりまして……。  開催国がフランスなので、主催者側とそのチームの人たちが何か話し合っているのですが、フランス語だから全然わからない(笑)。どうやら同率2位になったときのルールがはっきりと決まってなかったらしく、フランス語ができる日本の会長に話に入ってもらうと、急に“モルックアウト”という聞いたこともない特別ルールをやらされまして。ほんで、気がついたら負けてしまったという……。 森田:「なんで、おれら負けたん?」みたいな感じで、けっこう放心状態でした。ただ、ほかの日本代表のメンバーたちも試合を見に来てくれていて、なぜか感動して泣いてくれている方もいまして。周りみたら、タイークの金井も大号泣してました(笑)。あれは、もったいないことしたなってなりましたね。次の日は個人戦がありまして、ボクとみなみかわさんがベスト27位で日本人最高位でした!
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モルックは2020年の流行間違いなし?
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