仕事

社員全員がリモートワークス。ムダを徹底的になくす会社の働き方とは?

―[残念な仕事術]―
 会社で働く以上、どうしてもムダな仕事は生まれてしまう。しかし、とことんムダをなくして効率化を追求する会社もある。 オフィス

ムダを徹底的になくす会社の働き方とは?

 毎月定額制で企業のシステム開発を請け負うIT企業・ソニックガーデンは、まさにその代表だ。設立9年目の同社は「オフィスをなくす」「全員リモートワーク」「勤務時間は自由」「管理職はゼロ」……と、生産性を高めるために次々にユニークな取り組みを導入しながら毎年増収を続けている。 「仕事におけるムダを見つけるには、“そもそも”という視点が必要」と話すのは、代表を務める倉貫義人氏だ。 「会議や資料にしても、『コレは何のためにするのか?』という根源的な目的が達成できれば、別にやり方は何でもいいよね、というのが僕らのカルチャーです。  例えば、ウチには固定回線がありません。昔は若手社員が電話対応をしていたんですが、電話番をする意味って『本当に大事な電話を取り損ねない』ためなんですよ。  だったら、電話対応のアウトソースサービスに頼めばいいし、そもそも電話をなくしちゃえば若手社員は別の仕事に取り組めるわけです」
残念な仕事術

倉貫義人氏

 現在、42人いる社員は全員がリモートワーク&フレックス勤務で、地方在住者も多い。それでよく社員間の統率がとれるな……と思いきや、倉貫社長が見せてくれた自社製品の仮想オフィスを見て納得した。  画面上には社員一人ひとりのライブ中継されたアイコンが並び、誰が作業中なのかが一目瞭然。ちょっとした相談のたびに社員同士のチャットが飛び交い、面と向かって話したいときにはワンクリックでTV会議が始められる。 「僕らの働き方はこの仮想オフィスに出社するイメージです。リモートワークは便利な半面『ちゃんと働いているよ』というお互いの信頼感がないと成立しないんです。その信頼感って、ちょっとしたことでもすぐに相談できるような関係性から生まれると思っていて。  要はホウレンソウよりもザッソウ(雑談・相談)が大切なんです。僕らは物理的に離れているので、本当の会社で気軽に相談するような空気感を、仮想オフィス内でつくり出すことに意識しています」  通勤時間も上司待ちの時間も、形式ぶった会議もいらない。エネルギーはすべて成果のために使う。 「クリエイティブな仕事は特にですが、大切なのは“時間で仕事をしない”という意識です。定時の8時間イスに座ってるのと5分で価値を生み出すのなら、後者のほうがいい。けど日本では時間をかけることが努力の証しみたいになっています。その意識をなくさない限り生産性は上がりません」  本当の成果を見据えなければ、いつまでも消耗するままなのだ。 【倉貫義人氏】 ソニックガーデン代表。大手システムインテグレーター内の社内ベンチャーとして事業を始め、MBO。を経て独立。近著に『ザッソウ結果を出すチームの習慣』(日本能率協会マネジメントセンター刊) <取材・文/週刊SPA!編集部>
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