そのため、時期によってメニューは随時変わり、訪れた際に出していただいたのは北海道産の『超特大　夫婦ししゃも』（1200円）。道産子の筆者は、昔からさんざん食べ慣れていたが、いつも食べているスーパーの特売品よりも明らかに大きく、脂の乗り具合もいい。 　しかも、酒やつまみ類に関しては、田口氏がちゃんと説明してくれる。日本酒などは日本酒ソムリエ顔負けの知識だが、いわゆるウンチクではなく美味しい酒とつまみが好きな人の語りで話自体が面白いのだ。そのため、田口氏の話を聞くために通う人も多いとか。 「自分が好きなものばかりなので、話しているこっちも楽しくなっちゃう。それで食べたお客さんからも『美味しい』って言ってくれんですから最高ですよね」 　そして、締めの料理も忘れてはならない。 「オープン以来、お茶漬けを残したお客さんはひとりもいないんです」と田口氏の言うお茶漬けは現在5種類あり、筆者が食べたのは『しゃけ茶漬け』（1200円）と『いくらのしょうゆ茶漬け』（1450円）。特製のアゴだしをかけて食べるのだが、どちらも最高。完食率100％なのもうなづける。 「店は深夜0時からの営業で、平日働いているサラリーマンの方には通いにくい店かもしれません。でも、きっと満足していただけるはずです」 　値段も決して安くはないので頻繁には通えないかもしれないが、たまには贅沢したくなることもあるはず。給料日後の週末など、ちょっと奮発して飲みたいときにはもってこいのお店だ。＜取材・文／高島昌俊＞ フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。