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新型コロナで東京五輪「中止」の可能性、IOCの真意はどこにあるのか?

1年延期の場合は?

 仮に、延期となっても課題は多いようだ。前出の玉木氏が話す。 「1年延期となった場合はスポンサーと再契約する必要が出てくるものの、運営面ではそれほど難しくない。最大の問題は、延期の皺寄せがすべて選手にいってしまうことに尽きる。選手は本大会に照準を合わせて調整しているので、1年先延ばして再調整しなければならなくなる。  また、現在、代表に選ばれた選手を見直す動きも出てくるはず。競技団体によっては指定強化の段階からすべてやり直さなければならず、代表選考の基準となる世界大会も仕切り直しとなる可能性が高い。各国に割り当てられる個人の出場枠が変わることも考えられ、大混乱になるでしょうね」  パウンド氏は27日に行った最新のインタビューで「WHOや規制当局から特に勧告がない限り、組織として中止や延期を検討することはない」と弁明するなど、発言を一歩後退させている。だが、大会開催の可否をいつまでに決めるかについて問われると「いずれかの時点で誰かがYESかNOかを決断しなければならない」との見解も示しており、今なお予断を許さない状況だ。
ディック・パウンド委員

IOCディック・パウンド委員

 最悪の事態を回避できるのか? 今は、コロナウイルス禍を終息させることが何よりも重要と言えよう。

スポーツ関連イベントは続々「中止」の事態に

 3月1日の東京マラソンに続き、8日の名古屋ウィメンズマラソンも一般参加を取り止め、五輪関連イベント「ホストタウンサミット」も中止されるなど、国内のスポーツ関連イベントの規模縮小や中止が相次いでいる。’03年に流行したSARSは発生から終息まで8か月かかったが、今回の新型コロナウイルスの猛威はいつ続くのか……? <取材・文/週刊SPA!編集部 写真/EPA=時事 AFP=時事> ※週刊SPA!3月3日発売号より
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表紙の人/ 山本舞香&賀来賢人

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