仕事

新入社員を泣くほど追い込む圧迫研修。キレた新人と暴力沙汰まで…

 今年は新型コロナウイルスの影響で入社式を中止、そのまま新人研修を始める企業が多い。単に仕事を覚えるためだけでなく、その会社にふさわしい人材を育成する目的で行われているが、なかには“圧迫研修”と呼ばれる厳しいプログラムを実施するところもある。
企業研修イメージ

社員研修といえばビジネスマナーの指導が一般的なはずだが…(イメージ写真、以下同)

「今はどうかわかりませんが、30代後半まで勤めていた中堅飲食チェーンも研修では新人をとことん追い込んでいました」  そう話すのは、現在は水処理会社に勤務する池谷智司さん(仮名・42歳)。その狂った研修の中身を聞くと、これに抵抗する新人は「モンスター新人」どころか、まともな人間だと思えてくるがーー。

研修では泣き出す女子社員も続出

企業研修 「丸暗記させた社訓や企業理念を言わせてました。ただし、『腹の底から声を出せ!』ってめちゃくちゃ煽って、すぐには絶対OKを出さない。何十回もそれを繰り返させて、ほとんどの新入社員が声を枯らしていました。  あとはミスをした際のペナルティも細かく設けていて、連帯責任としてその班の人間全員に新たな課題を与えたり、罰として腕立て伏せをさせることもありました。女性新入社員のなかには涙を流している方もいましたが、『泣いたからって許されると思うな!』ですからね。ブラック研修もいいところですよ」  研修は4日間だったが、携帯電話やパソコンの持ち込みは禁止。期間中は起床時間の朝6時から消灯の夜11時までスケジュールで埋まっており、自由時間はまったくなかったそうだ。 「だから、研修中にリタイヤしたり、最後までこなしてもその後に会社を辞める人はほぼ毎年のようにいたはずです。私が入社した年も深夜に脱走し、そのまま退社した同期が2人いました(笑)」  30代前半の数年間、裏方として新人研修のサポートをしていたそうだが、そのときに「後にも先にも彼ひとりだけ」という新入社員の行為を目撃する。

講師に殴りかかる新入社員

パワハラ 「これは講師役の社員に非があるのですが、社員個人に対する口撃だけでなく、その親を侮辱するような発言してしまったんです。それである女性社員が過呼吸を起こすほど号泣。  これに対して『それは言いすぎでは? 彼女に謝ってください』と抗議した新人がいたのですが、典型的な体育会系だった講師はこれにカッとなってしまい、『目上の人間に対してその態度はなんだ!』と今度は彼のことを責めだした。これにキレてしまい、講師を殴ってしまったんです」  抵抗しようとしたのか講師も彼の胸倉をつかむが、あっさりと転ばされて馬乗りにされてしまったそうだ。 「私たちサポート役の社員に加え、彼以外の新入社員の5人がかりでなんとか押さえましたが、2人とも暴れるもんだから大変でしたよ。研修は一時中断となり、彼は講師役の社員に手をだしたことは謝りましたが、それでも女性社員に謝罪しろと言って譲りませんでした。  私やほかのサポートスタッフも『それは言い過ぎ』とたしなめたため、一応は謝罪の言葉を述べていましたが、私の目から見ても納得していない様子でした」
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