スポーツ

青木真也、K-1開催への批判に持論「自粛を要請って言葉として変じゃない?」

自己責任で生きていかないやつはダサい

――4月に横浜アリーナで開催予定だったRIZIN.22が中止になりました。今の自粛ムードの中、RIZINの榊原信行CEOから「夏に格闘技のビッグイベントをやりたい」という発言が出ていますが、これについてはどう思いますか? 青木:夏にメガイベントをやるっていうのは正直、現実的じゃないと思う。だってもう、そんだけ行き詰まってることだって僕は解釈しましたけど。ある程度順調な時は、人は現実論を言うんですよ。ただ日和ると、めちゃくちゃなことを言い始めるっていう。典型的な人を騙す人たちの手法だから(苦笑)  でも僕はそれで怖いなって思ったのは、見る側のファンもそれに乗っちゃってること。これはつまり、ファンも詰まっちゃってるんだなって思った。格闘技のファンたちも、余裕がなくなってきている。 ――ただ、現実論でいえば、新日本プロレスを始めとする7団体が、馳浩議員に休業補償を求めに行きました。 青木:僕は、それをダサいと思いました。だってさ、そもそも国が助けてくれるわけじゃないし、なんでそんなところを当てにしてんだよって思うし。「そこは自己責任で生きて行けよ」って思っちゃうんですよ、僕は。プロレスという文化って、体制の反対側というか。国から離れたところにあるものだって思うんですよ。 ――では、思うように興行ができない今、格闘家としてどのように立ち回ろうと青木選手は考えていますか? 青木:僕は根本的な解決をしないとだめだと思っている。生き方も含めて。コロナによってルールがバッサリ変わったんで。それに見合うように生活だったり、仕事の仕方を変えていかなきゃならないですよ。  僕はそこを今考えていて。格闘技でいうと無観客が続けば、収入が減っていくかもしれない。それに代わる収入も作っていくことも、視野に入れていかないといけない。
青木真也

「Road to ONE:2nd」での試合風景

――青木選手は新型コロナが収束するまで、どのように活動を続けていきたいとか、プランはありますか。 青木:格闘家っていうのは自分の軸で生きるということで。青木真也として生きていくための。  今、イベントができないっていう状況で、自分自身も大きな収入が入ってこないから、長期戦だなって思っていますね。ネガティブにはとらえていないんですよ。もうなんだろう…1年2年、もっと言うと3年間耐えるシフトで考えています。 ――それって、不安は感じない? 青木:実は不安はあまりない。元々、格闘技なんてメジャーにならなくていいと思っているから。超インディーってあっていい。収入が減った中で、「いかに楽しく生きていくか」っていう考えにシフトしたっていう。  だから、今は徹底的な経費カットと小さい仕事をコツコツやっていく。数年後、生き残った時に一社独占で潤って、オールオアナッシングになっていくと僕は思っているので。今が勝負だと。何とかしてゲリラ戦を生きていくしかないという感じですかね。 ――過剰な自粛ムードにnoを突きつける青木真也。賛否両論はあるだろうが、周りに流されずに信念を貫く生き様は真似出来るものではない。彼が格闘技を通じ、今後世の中になにを訴えかけるのか。注目していきたい。<取材・文/池守りぜね>
出版社やWeb媒体の編集者を経て、フリーライターに。趣味はプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ。X(旧Twitter):@rizeneration
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