ガラス製ボウルに入れる
『Have A Nice Day!』
「紙皿より更にもう一枚、薄皮を剥がしてあげたようなくっきりした印象。スネアドラムの音がちょっと伸びすぎて、それに近い音域にいるヴォーカル、またギターの一番聴こえて欲しい音域が埋もれてしまった印象もある」
『Here Comes The Sun』
「やはり聴感上の音量がグッと上がってきます。アコースティック・ギターの一番伸びやすいところが伸びすぎて、ちょっと耳を引っ張られます。ガラスの硬い感じがそうさせているのかも?」
『Have A Nice Day!』
「今まで一番“音がよくなった”印象。全体的にバランス良く、例えて言うならステレオなどに搭載されているサラウンドボタンを押した感じ。特にヴォーカルの抜けがよくなりました」
『Here Comes The Sun』
「やはり一番バランスよく音が大きくなり、粒が揃った感じに聴こえました。立ち食い蕎麦屋などで出てくるくらいのどんぶりの大きさ、そして釉薬が塗ってあるとはいえ陶器という土の良さもあるのでしょうか。バスドラムやベースなどの低音域がやさしく持ち上がったことにより、メロディ楽器やヴォーカルもその影響でよい場所に音が収まった印象を受けました」
スマホスタンドを使う
最後は、“ホーン型スピーカーの原理で取音溝からの湾曲構造が音の品質を落とさず増幅させる”と話題の、ビクターのスマホスタンド。ビクターのマスコットキャラクター・ニッパーくんが耳を澄ませる姿も何ともかわいいが……。
『Have A Nice Day!』
「机の上に置いて聴いてみたところ『あれっ!? 何だこのホワンホワンした感じ……』と思ってしまった。音は大きく聴こえるようになったものの、全体の音が渦巻いてしまって、中域から高域ばかり出てしまっている印象を受けてしまいました。で、これは試しに……と、自分の耳の位置と同じ高さに持っていったところ、『おお! これは確かにちょっとよいスピーカーに繋いだ感じだ!』というくらいに変化。ただ、ちょっと全体的に音がベタッと目の前に貼り付いてしまった感じも受けました」
『Here Comes The Sun』
「反省を生かし最初から耳の高さと同じ位置から聴いてみました。やはり聴感上の音量は明らかに大きくなり、音の位置が近くなった感じ。そして中域から高域ばかり持ち上げられ、高い音に耳が引っ張られますね……」
さて、それぞれの音質を採点すると……?
聴き比べを終えて、MOBY氏には5つの方法それぞれの音質を評価してもらった。結果やいかに……?
【深めの紙皿】
自由に外出できるようになってキャンプなどアウトドアを楽しむ際、紙皿は必ず準備されるでしょうから、まずはこれから試してみて損はないはず。
【紙コップ】
もったいないので、紙コップとして使って下さい。
【ガラス製ボウル】
クラブミュージック、或いはハードロックやメタル系といったジャンルを聴く際に適していると思います。
【陶器製ボウル】
費用対効果としてはこの陶器製のどんぶりが一番よかったと思います。スマホが入るくらいの大きさのどんぶりならば大概の家にあるでしょうから、出費ゼロでこの音質はかなりの高コスパ! アコースティックなサウンドを中心に、全ジャンル対応可能だと思いました。
【スマホスタンド】
ラウドロック、また最近の日本の若手のギターロックと呼ばれる「今どき」の音楽を聴くのに適しているかと思います。その際は、できるだけ自分の耳とスマホスタンドの高さを合わせるのがオススメです。
「もったいないので紙コップとして使ってください」といった身も蓋もない評価もあったが、それ以外は、それぞれ音の変化に長所があったようだ。MOBY氏がオススメするように、「メタルを聴くときはガラスボウル」「アコースティックサウンドならどんぶり」「今どきの若手のロックを聴くときはスマホスタンド」と使い分けてみるのもおもしろいかもしれない。
(構成/日刊SPA!編集部 撮影/オカモト“MOBY”タクヤ・トミヤマユキコ)
“LIVE CHAMP”の異名を持つロックバンド、SCOOBIE DOのドラマー兼マネージャー。ドラマーとして様々なアーティストのレコーディングに参加し、DJとしても国内外問わず精力的に活動。またスポーツ専門テレビ局J SPORTS『MLBミュージック』メインMCを始め、ラジオMC、音楽・MLB・酒場・ラーメンに関する執筆、クイズ作家としても活動。香港政府観光局公認の「超級香港迷(=スーパー香港マニア)」でもある。
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