仕事

コロナで中高年がリストラ対象に…テレワークに不要な年配管理職たち

50代社員が真っ先に職を失う理由

 転職コンサルタントの黒田真行氏は、今後真っ先に職を失う可能性が高いのは彼らだと指摘する。 「リクルートワークス研究所の推計によると、’15年時点で日本の雇用保蔵者の数は約400万人。これほど多くの人材が余っている理由のひとつには、世界の主流であるGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)などの巨大企業に代表されるITを基盤とするプラットフォーム事業に乗り遅れたことが挙げられます。日本は工業化が主流の時代に栄華を極めましたが、戦略の新陳代謝が進まなかったためにIT化にうまく対応できませんでした。そこに新型コロナが覆いかぶさってきた状況です」
[不要不急な50代]会社員

黒田真行氏

リモートワークに不要な年配社員たち

 50代社員の多くは自分が雇用保蔵者だと自覚しておらず、企業も功労者に給与を支払い続けていたが、コロナ後はそんな余裕もない。さらに、コロナによるリモートワークの実施などで「成果物に対する評価基準も変化する」(加谷氏)ため、不要不急な社員の存在があぶり出されてしまったのだ。特に、これまで「オンラインでのコミュニケーションは、リアルよりも劣る」と下に見ていた人は、コロナ後に足をすくわれるという。 「以前なら直属の上司を通さなければなりませんでしたが、オンライン会議では若手社員が社長など上の役職の人間に直接提案することもできます。つまり、前ほど中間管理職が必要な存在ではなくなるというわけです」(曽和氏)
[不要不急な50代]会社員

主な上場企業の希望・早期退職者募集状況

 とはいえ、リモートワークが今後も定着するかについては疑問視する声も少なくない。 「日本では出社主義、現場主義がやはり根強く、在宅勤務はあくまで緊急事態宣言が解除されるまでの一時的なものと捉えられており、多くの企業では以前のように社員が毎朝出社する光景が戻りつつあります。でも、会社にとってリモートワークは中高年社員をふるいにかける基準となり、対応できなかった人は肩叩きの大義名分にされるかもしれません」(黒田氏)
次のページ
しがみつくべき会社とは?
1
2
3
おすすめ記事