【宝塚記念】連載開始から約200万円のプラス。稀代のギャンブラーが読み解く「G1馬大集合の激戦」の行方~#払い戻しはこちらへ~
■金ちゃんが語った真剣勝負の醍醐味
だが一難去ってまた一難。
今回の宝塚記念では、因縁の野郎とまた対決することになってしまった。
そいつは前回天皇賞春で対決していたカポ・峯という人間だ。人様の事は言えたもんじゃねえがふざけた名前しやがってよ、なんだ? イタリア人のハーフかなんかなのかよ。
「兄貴、せっかく勝ち越してるんだからやめとけって」
「せっかく天皇賞で500万獲って勝負付けしたのに、さらに高いの取られたら格好悪くなっちゃうんじゃないですか?」
仲間内はリスクのことまでよく考えてくれるようになったもんだ。
だが結局の所、SNSに物書きなんて人気商売みてえなところがあって、圧倒的な結果を出せば自ずとそれはついてくるわけだから、相手が強敵だからこそ立ち向かう意味はある。
いつものようにスウィッシャースイートをハサミで割いて、それをくるくると巻いている所に、宮島のSGに全力投球している競艇仲間の金ちゃんがアジトに帰ってきた。
「上野が6コースから捲って勝ったんだ、俺は男を感じた」
随分とはしゃいで饒舌になっていたが、要約すると金ちゃんはそれが言いたかったらしい。
「そんな興奮してるってことは勝ったんだろ? いくら握ってたんだよ?」
すると予想外の返事が返ってきた。
「いや、50万負けた」
そうか、そうだよな。真剣勝負の勝負事だからこそ、負けてあっぱれって思える気持ちが大切なんだ。
通帳の残高増やして記帳したところで、そのインクだっていつかは薄れて消えてしまうし、通帳だってどこかに行っちまう。
そもそも地獄までゼニなんか持っていけねえし、やっぱり記録なんかよりも記憶に残らねえと。
負けてせいせいしている金ちゃんの目を見ていると、そんなどこかで誰かが言った台詞が俺の脳裏に自然と浮かんできた。
じゃあやるか。宝塚記念をよ。
三連複平均配当は3万円超えの波乱必死のグランプリを、血と汗と気合いで的中させてもらうぜ?