お金

1000万円で馬を買いにコロナ対策下のセレクトセールに行ってみた

馬を買うためにはまず測尺表から……と思ったら。

 さあ、安心したところで馬を見に行きましょう。サマーセールなどの日高のセリで馬を買う場合、まず測尺表という上場馬のサイズと最低入札価格をまとめた表をもらって検討をはじめます。これで予算以内に収まりそうな馬の見当をつけるわけです。
ノーザンホースパークの写真

会場となったノーザンホースパーク。昨年撮影

 ところか会場を見渡しても、測尺表を配っている様子がありせん。先輩馬主に聞いたところ、セレクトセールでは牧場ごとに配っているとのこと。  予算1000万円の貧乏馬主はもうこれで腰砕けです。セレクトセールに上場されている馬で、1000万円以下で落札される安い馬は毎年5頭~10頭ほどしかいません。測尺表を見て、手頃な値段の馬がいたら買って良いか占おうと思ったのですが、手頃な値段の馬がどれか調べるだけで一日仕事になってしまいます。  下準備をしっかりやればよかったのですが、調べたところで30頭に1頭の割合でしか予算内の馬はいませんでした。日高のセリと比べると私のような低予算で運命の1頭に出会える可能性は低いなあと思ってしまいました。  やはり天下のセレクトセール、3000万くらいは持ってこないとダメですね。いくらの馬が欲しいかじゃなくて、欲しい馬がいくらかなんです。自分ではまだまだ格が足りないとわかったので、あとは臨場している馬主仲間たちの競り合いを応援することにします!

セリの前に腹ごしらえを……

 と、その前に。腹が減ったので昼飯にいきましょう。 セリの会場には屋外に豪華なフードコートが設けられており、肉に海鮮にラーメンにと、北海道の名物グルメがところ狭しと並べられています。もちろん飲食は無料。  なかでも有名なのが時間帯ごとに内容が変わる網焼きのグリルで、この日は北海道牛のステーキ、ホタテ、カキというラインナップでした。もうここに住みたい! ぼくここの子になる!!  そんな美味しそうな料理の数々に思わず目移りしたのですが、私が選んだのはブエナビスタというレストラン。  海鮮丼やら何やらとメニューは色々とあったのですが、朝から頭を使って腹が減っていたので、北海道牛のステーキセットを注文しました。スッとナイフが通る柔らかな肉質で、赤身も脂身も素晴らしい味。そして手加減なしのものすごいボリュームで腹いっぱいとなり、結局屋外のグリルの料理は何一つ食べられませんでした。うーむ、北海道の豊かさというか、セレクトセールの余裕はスゴイ。

仲間がエイシンフラッシュの牝馬を2700万で競り落とした!

 というわけでセリのはじまりです。馬主仲間が狙っていたのは追分ファーム産の父エイシンフラッシュの牝馬。  落札予想価格は1500万くらいとのことですが、エイシンフラッシュ産駒は日高のセリならば100万円くらいから買えます。さすがに高いよな~と思っていたのですが、ブラックタイプ(血統書のようなもの)と実馬を見ると全然高いような気がしません。  おっそろしく映える整った馬体、将来の繁殖入りが楽しみな母系、すっきりしつつも愛嬌のある目鼻立ち。いやはやこれは素人目に見てもいい馬です。貴族の風格というやつで、ぶっちゃけ中途半端なディープインパクト産駒より、最高のエイシンフラッシュ産駒のほうが走るのではと思いました。  これだけの馬なので1500万で落ちるはずもなく、セリは当然打ち合いに。最後は仲間の馬主ともう一人の一騎打ちで、お互いに命を絞り出すかのように札を入れ続け、相手の戦意が尽きた2700万円で落札となりました。高額のセリは隣で見ているだけでもプレッシャーがかかりますね……  落札後は日高のセリと流れは同じで、関係者の名刺交換と写真撮影に進みます。写真撮影だけ日高のセリとは少し違って、カメラの台数がすごかったですね。このへんはやはり日本一のセリなのでした。
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