「就活しない」「会社辞めた」2人の若者が職業YouTuberを選んだワケ
米津玄師やあいみょんの“替え歌”や、学校生活や日常の“あるある”ネタで若者たちを中心に人気急上昇。開始たった1年半でチャンネル登録者数は約40万人を誇る宮城県発YouTuberの「ほーみーず」は、大学4年生のちばしん(21歳)と、同い年のるかのユニットだ。
2人は、“会社員ではない”未来を昔からイメージできていたのだろうか。
ちばしん:僕は中学の頃、公務員になりたいと思っていました。高校に入ってからは漠然と「起業したい」と思っていましたが、起業するにしても最初は会社に入ってキャリアを積んでからスキルを身につけようと思っていた。なので、大学卒業後は普通に就職をしようと最初は思っていたのですが……。
ちばしんは現在大学4年生だが、就活はしていない。会社で働くということについてはアルバイトをいくつか経験した際に「決まった時間に出勤して決まった時間に終わるのは、自分が本当にやりたいことではないとツラい」と痛感したという。
ちばしん:YouTuberの作業は撮影や編集が大変だけど、いやだと思ったことはないんです。楽しいから、これを仕事にできたらいいなと思うようになりました。なので専業のYouTuberとして今後も活動していく予定です。YouTubeをやっているときの自分がいちばん楽しんでいるような気がするし、ありがたいことに自分のやりたいことでお金をいただけているので。迷うことなく、この道を選択しましたね。
一方のるかは、今年3月まで会社員として工場勤務していた。このまま会社員とYouTuberの二足のわらじ生活を続けることもできたはずなのだが……。3月31日に会社を辞め、YouTuber一本でいこうと決意したきっかけは何だったのだろうか?
るか:会社を辞めることはYouTubeを始めた頃は全くイメージしていなかった。むしろ「この会社でトップになる!」「工場長になる!」って周囲に宣言していたくらいです。ただ、今後も働いていく未来を想像したときに理想と大きなギャップがあったことから、勤めはじめて丸3年という区切りで辞めることを決意しました。僕はもともと人と違うことや目立つことをするのが好きで、文化祭でステージに立ったりするのが好きだったんです。だけど、工場に入ってからは真逆で。毎日決まった行動をしないといけないし、10年後や定年までの人生を想像しても、すでに今もうこの先の全てが決まってしまっているような気がして……。
日々のルーティンのなかで違和感を覚えつつ、新しいことに挑戦しようとちばしんを誘ってYouTubeを始めた。とはいえ、当初は工場の仕事と並行しながらだった。
るか:工場のシフトが3交代だったので、夕方から深夜だったり深夜から朝だったりと毎日の勤務時間がバラバラで。大学生のちばしんが僕のシフトに時間をあわせてくれて撮影したり、編集はちばしんに全部やってもらったりしてなんとか両立できている状況だったので、常にモヤモヤしていました。
ちなみに、会社員時代もトレードマークの青い髪は健在だったという。会社では怒られることはなかったのだろうか?
るか:幸い、会社では髪の色に関する規則はなかったので特に言われたりはしていなかったですね。でも上司の視線がいつも頭のあたりにあったような(笑)。「なんでこいつの髪青いんだ?」とは思われていたと思います。
るかは職場で自分がYouTuberであることは明かしていなかった。だが、「地元のYouTuberの情報って意外と耳に入るみたいで、だんだん勝手に広まっていった」そうで、上司たちも薄々気づいていたという。そして、ついに今年3月、YouTuber1本で生きていく決意をしたそうだが、迷うことはなかったのだろうか。
るか:会社を辞めることは不安しかありませんでしたが、新しいことを始めるときに不安はつきものだと自分に言い聞かせてました。幸い、同僚や上司の方々にはすごく応援していただけましたね。
とはいえ、YouTuberという生き方は絶対に未来永劫安泰とは言い切れない。いつか食べていけなくなるかもしれない。そのときのことはどう考えているのだろうか?
ちばしん:僕にはふたつやりたいことがあります。ひとつはYouTubeの視聴者としてだけでなく、僕らについてくれるファンを増やすこと。ファンが増えれば、YouTubeがなくなっても別の媒体を使って活動することができますし、リアルイベントなんかもしたいですね。
もうひとつは、YouTubeのような動画制作のコンサルティング。僕らは動画の企画から公開まで、すべて自分たちの手で制作してきました。その過程や結果を分析をしていくうちに、こういう動画が伸びる!という感覚が身についてきたので、いずれは新人のYouTuberや企業のYouTubeチャンネルのご支援なんかにも挑戦していきたいです。地元の友だちでも最近YouTube始めたと聞いて見てみると、「これをこうすればもっと良くなるのに……!」と思うことも多いので。これまで培った分析力を活かしてアドバイスをすることでYouTubeの世界をもっと広げていきたいですね。
このふたつの目標を見据えて活動しているので、明日YouTubeがなくなったとしても大丈夫だ、と言えるように頑張りたいと思っています。
るか:今ちばしんに全部言われちゃったんですけど(笑)。やっぱり動画編集は個人のスキルとして、今後活かすことができると思うので、YouTuberをやれている間にどれだけ個人の能力を高められるか。あとは自分の性格として「なんとかなるだろう」と考えるタイプなんです。自分を信じて楽観的にいきたいですね。
“今後は動画の時代”と言われて久しいが、多くの芸能人や企業から情報発信ツールとして需要が増している。YouTuberのノウハウはきっと将来の武器になるに違いない。
るかは一般企業に勤める会社員だったが今年3月に退職、現役大学生のちばしんは就職活動をしないと決め、今後はYouTuber1本で生きていくことにしたのだという。
どんな職業であれ、一生安泰なんてことはありえない時代。とはいえ、浮き沈みが激しく収入の見えないYouTubeの世界に身を委ねることに迷いや不安はなかったのだろうか。2人の若者が“会社員ではない”未来を選んだ背景や、その見通しを聞いた。
昔は公務員になりたいと思っていた
YouTubeが無くなっても食べていけるスキル
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インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA
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