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コロナ解雇された当事者に聞く「不穏な気配を感じた?」

[会社がヤバい!]を見抜く

写真はイメージです

業務委託契約を命じられ、リストラ宣告、そして離婚

 シャンプーなど美容室向け商品の販売会社で営業として働いていた大野隆さん(仮名・29歳)は、今年4月上旬にリストラ通告を受けた。 「3月には美容室からの発注が一日1件の状態で、前月比は7~8割減。社長は「人員を減らしたい」と言いだしました。僕は年齢が一番若く、インセンティブの比率も高く、月給50万円のときもありましたが、4月は固定給分の15万円しか出ませんでした」  大野さんは結婚と妻の出産を機に美容師から転身。4年間トップセールスを続けた。当初は正社員だったが、インセンティブの増加に伴い、3年目から会社の税金対策として業務委託への変更を打診され、以降は個人事業主として勤務する。しかし、それが災いした。 「営業回りが終わって帰社したら社長に呼ばれて、『業績が悪化しているので人件費を削りたい。正社員を守るために退いてくれ』と言われました。個人事業主になっていたから退職金もない。結局、都合よく扱われたのかなと思います」  しかも専業主婦の妻にその旨を話すと、3日後には子供を連れて家を出ていってしまった。 「もともと不満が重なっていたんでしょうね。彼女の意志は固く、4月末には離婚。月8万円の養育費支払いや生命保険の加入を定めた公正証書にもサインしました。加入後2年過ぎれば自殺でもちゃんと保険金が下りるそうです」  心労で一時は体重が8㎏痩せたと、彼は寂しそうに笑った。
[会社がヤバい!]を見抜く

離職中に遺品整理士の資格を取った大野さん。現在は派遣美容師とのダブルワークの一日14時間労働で月に50万円を稼ぐ

<取材・文/山田剛志・鶉野珠子・沼澤典史(清談社)> ※週刊SPA!9月15日発売号の特集「[会社がヤバい!]を見抜く」より
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週刊SPA!9/22・29合併号(9/15発売)

表紙の人/ 日向坂46

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