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激安“町中華”はなぜ潰れない? 50年間値段を変えずに営業する店

計算が合わない!?不思議なセットのある中華屋

中華店「谷記」

中華店「谷記」

 最後に紹介するのは、錦糸町を中心に数店舗を展開する中華店「谷記」。個人経営で老夫婦が営む、いわゆる町中華とは違うが、激安という意味で列挙したい。ここにある「飲み物セット」がその安さの秘密なのだが、この価格設定が私たちが教わってきた算数の理解を超えている。
中華店「谷記」

ドリンクと一緒に注文すると単品価格より安くなる

 まずお店の内外に掲示されたPOPには「飲み物セット 699円」とある。瓶ビール好きの筆者としては、瓶ビールもセット注文可能であるのが嬉しい。これは、ドリンク一杯に料理一品がつけられるもので、他の多くの飲食店でも見かける、呑兵衛にはありがたいサービスだ。しかし、ここ「谷記」の異様さは、セットにつけられる料理は数十種類あるのだが、その中のいくつかが単品価格で700円以上する。例えば、定番のエビマヨを単品で注文すると736円なのだが、ドリンクとエビマヨを注文すると699円になるという理解不能の価格設定なのだ。
中華店「谷記」

三元豚の黒酢酢豚の飲み物セット(699円)。酢豚単品だと736円

 酒飲みが贔屓されているこの状況に、飲まないわけにはいかない。注文したのは、三元豚の黒酢酢豚の飲み物セット(699円)。こちらも酢豚単品だと736円を支払わなければならないが、瓶ビールをつけることで699円になる。まだ、日本人が発見できていない数式が隠されているのかもしれないが、飲むには天国であることは間違いない激安中華だ。  新規参入する店舗が極端に少ない、町中華は年々その数を減らしている。さらにコロナによる飲食業会への逆風で、薄利な激安店は苦境にある。Go To Eatキャンペーンも始まり、外食の機運が高まりつつある今、こうした店を訪れてみてはいかがだろう。<取材・文/Mr.tsubaking>Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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