仕事

フェラーリが示した感謝の気持ち。イタリアも日本も関係ない、キツイときはお互い様

青森県で生まれ育ち、渋谷の片隅で仲間とやりたいことだけやろうとしていたら、F1レーシングチームのスクーデリア・フェラーリと公式パートナーシップ契約を結んでしまったレディオブック社長YUGOのジェットストリームのような日々のお話……。  僕は基本的に「値切り」というものをしない。特にto B、つまり相手が企業の場合はほとんどしたことがない。  明らかに、やってもらうことに対してかかるコストがおかしい(不自然)だと思うことに対してだけは、「これは、なぜこのくらいの値段になるのですか?」と聞くぐらい。  それで納得できれば「わかりました」となるし、向こうの言い値であるならば、「僕とは合わないですね」となり、そもそもお仕事をしない。  対価とは信用の価値交換であるので、「俺の価値は〇〇円です、が正義である」というのが僕のビジネス哲学なのだ。  そんなビジネス哲学が、今回のフェラーリとのパートナー契約において功を奏したエピソードがある。

値切らないという哲学がフェラーリにも伝わった

 つい1週間前のこと。フェラーリとレディオブックの間でエージェントとして動いてくれてるメンバーに、日本人のSさんと、イタリア人のFさんがいる。  そのうちのFさんは基本、日本在住なのだが、F1イタリアGPの兼ね合いで7月からイタリアに帰国していて、先週久しぶりに来日。フェラーリからのプレゼントを持って事務所に遊びにきてくれた。
フェラーリ

Fさんのイタリア土産

 そのFさんが、イタリアにいてフェラーリチームと話をしていたときに、レディオブックの話になったそうだ。 「実はフェラーリは、レディオブックのことを本当に気に入っているんです」(Fさん)  リップサービスだとしても、うれしい言葉である。 「それはうれしい! けど、それ本当?」  相手の気持ちを、友達を介して探るメンヘラ彼氏のような質問をした自分が恥ずかしいぐらいだが聞いてみたくなった。 「これは本当に本当。実は今回、新型コロナのせいでF1GPの予定やレギュレーションが変わるなかで、多くのスポンサーやパートナー企業からダンピング(値切り)のような連絡が相次いだんです」(Fさん)  まあ、そうだろうなあ。 「それにフェラーリ自体も戦々恐々としていたし、その対応にも正直、疲れていた。だけど、レディオブックだけ、唯一何も言ってこなかった。フェラーリを信じてくれ、無理な注文をしてこなかった。その心意気に凄く感謝してるんです」(Fさん)  めちゃくちゃうれしかった。

フェラーリとパートナーシップを組めた対価は安いぐらい

 僕としては、日本企業として20年振りのパートナーにレディオブックを選んでくれたことに感謝してる。そして、これからフェラーリとはじめるプロジェクトをはじめ、普通の企業ではしたくてもできない経験を今できている。  フェラーリのパートナーの証として、ロゴを掲載させてもらっていることを考えれば、かかる費用はむしろ安いぐらいだと思ってる。  こうした感謝の念があるからこそ、キツイときはお互い様だし、せっかく惹きつけ合った仲を末永く共に歩めるなら、その信用の証としての礼儀を示しただけである。
やりやラジオ

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 何よりうれしかったのが、自分が持っていたビジネス哲学の想いをちゃんと受け取ってくれていた、ということだ。  日本とイタリア、距離も離れていれば商慣習も違う。でも人としての想いは届くのだ、ということをとてもうれしく思えた。そして、ビジネスっていうのは本当に人生の楽しさ、やりがいがすべて詰まっているコンテンツなんだと、あらためて実感できた。  みなさんも自身の哲学に誇りを持って動いてみてください。いつかそれを汲み取ってくれるパートナーが現れるはず。  ではでは。
1980年生まれ。青森県弘前市出身。レディオブック株式会社代表取締役/CEO。大学卒業後、プロ格闘家としてデビュー。個人事業主を経てレディオブックを起業。2015年にオンデマンドiPhone修理ブランド「i+Remaker(アイリメーカー)」を⽴ち上げ、単独店舗で年商1億円達成。その後はオンラインサロン「やりやらタウン」の運営や、SNSで大きな話題となった会員制〆パフェバー「RemakeEasy(リメイクイージー)」の運営など、複数の事業を展開。会社としても年商14億円規模まで成長。F1レーシングチームのスクーデリア・フェラーリと公式パートナーシップ契約も締結している。ツイッターアカウントは@yugo_itagaki。著書に『やりたくないことはやらなくていい』(幻冬舎)

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