お金

年金はやっぱり払い損になる? 年金受給額を84%アップさせる方法も

75歳までの繰り上げ受給で年金受給額84%アップ!?

年金

繰り下げ受給をすることで、最大84%まで年金を増やすことは可能だが、実際の寿命はわからない。どこまで繰り下げるべきかの見極めは慎重に行おう

横山:ちなみに年金の受取額を84%増やす方法も存在します。年金は繰り下げ受給で1か月遅らせるごとに0.7%ずつ受給額が増額されます。現在は70歳までなので、最大42%増ですが、’22年から繰り下げ可能な年齢が75歳まで伸びます。10年間繰り下げて75歳から受給すると、0.7×12×10=84%の増額となる計算です。 無男:受給額が増えるのは嬉しいけど、元取れますかね……。 横山:無男さんは84%の増額で年金受給額が月に27万円なので、87歳まで生きれば。 無男:87歳、少し自信ないですね。 横山:繰り下げるかはさておき、公的年金は老後の後半の頼りにして、前半は退職金やiDeCo、つみたてNISAを取り崩したり、少しだけ働くのがオススメです。 無男:iDeCoやつみたてNISAは、45歳から始めるのでは遅いですか? 横山:全然アリです。むしろやらないのがヤバいくらいです。どちらも無税かつ、iDeCoであれば税控除も受けられます。こんな太っ腹な制度は、国からの「自助努力してね」というメッセージでもあるので!

5社中1社は退職金がもらえない!?

 老後の備えに「退職金」を当てにしたい人も多いはず。だが、「実は会社に退職金を支払う法的な義務はなく、厚生労働省の調査によれば約20%の会社では退職金がもらえません」と横山氏。
退職金

’17年の退職金は平均1788万円だが、5年前と比べると153万円、15年前とでは711万円減少している

 さらに、同調査によれば大卒の定年退職者への給付退職金額は年々減少している。 「まずは自分がいくらもらえそうかの確認が大切ですが、退職金は受け取り方でかかる税金が異なります。一時金として受け取ると、20年勤続で800万円など勤続年数により控除が受けられるのに対し、年金として受け取ると社会保険料がかかり、手取りが少なくなりがち。節税の面でいえば前者がお得です」  会社によっては誕生日前に退職すると、失業給付金が多くもらえる場合も。知らないまま損しないよう、規約は要確認だ。
横山光昭氏

横山光昭氏

【マイエフピー代表取締役・横山光昭氏】 家計再生コンサルタントとして各種メディアで活躍するFPで著書、講演多数。近著に『ゼロからわかる!フリーランス、自営業のためのお金の超基本』 <取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/今井ヨージ 図版/松崎芳則>
1
2
おすすめ記事