更新日:2020年12月23日 15:53
カーライフ

サンダーバード2号を目指して。災害の備えにもなる軽トラ自作キャンパーのススメ

派手さはないが随所にエンジニアのこだわりがチラホラ

 当初、シェルの軽量化のためにアルミ材で製作しようと考えていた二見さんは、独学でCADの勉強も始めていた。そんなとき、その年の11月に長野県安曇野市でキャンパーが集まるイベントが開かれることを知り、なんとか参加してみたいと考えた。しかし、アルミで製作していては間に合わないため、結局、木造に構造を変更。2019年8月にスタートしたキャンパーづくりは夏休みと週末の土日を使い、およそ3カ月かけて10月末に完成した。
みんなの遊べる軽トラ

ソーラーパネルは100W×2枚。電気はおもに冷蔵庫や照明に使っている

みんなの遊べる軽トラ

二見さんが100円ショップのアイテムを使って自作した調味料ボックス。箱を閉じればそのまま持ち運びできるスグレモノだ

「防水対策を考えて、仕上げ材には建築用として実績のある材料を使うことにしました。外壁にはサイディング材、屋根にはガルバリウム鋼板を使っています。前方と横方向は大丈夫なのですが、弱点は自作した後方のドアですね。庇が付いていないこともあり、横なぐりの雨がドアの隙間から入り込んできます」
みんなの遊べる軽トラ

最近のRVパークやオートキャンプ場には外部電源の設備を備えているところも多いため、外部電源を取り込むためのソケットも完備

みんなの遊べる軽トラ

キャビンの上にあるバンク部は風雨の抵抗を真正面から受ける場所だけに、サイディングの合わせ目にガルスパンを張って防水対策は念入りにした

 初めてつくったキャンパーでは、弱点があるのは当たり前のこと。むしろ電気関連の保守の仕事をするエンジニアらしく、二見さんが発想力をフル稼働させて考案した仕掛けや工夫は、派手さはないもののかなりハイレベルな仕上がりだ。
みんなの遊べる軽トラ

コンパクトなサイズながら使いやすい大きさのシンクを備えたキッチン。水栓は電動でシンクの下に収納されているタンクから水を吸い上げる仕組み

みんなの遊べる軽トラ

床下の冷蔵庫では食材やドリンクを冷やすことができるため、いつも冷たいビールが飲めるのがうれしいと二見さん。電源はソーラーパネルからの電気で賄う

いつか憧れのサンダーバード2号を目指して

「キャンパーにはトレーシー号という名前をつけました。これはわれわれの世代が子どもの頃に毎週欠かさず観ていたイギリスのテレビ番組、『サンダーバード』のトレーシーアイランドに由来しています。主人公のジェフ・トレーシー同様、私も5人の子ども(4男1女)を持つ父親でもあるので。実はキャンパーもサンダーバード2号をモデルにしてつくろうと思ったのですが、さすがに恥ずかしいのでしばらくはいまのスタイルでいくつもりです」
みんなの遊べる軽トラ

キャンパーの中で映画や映像を楽しむために、二見さんは小型のプロジェクターを使っている。写真右下の四角い箱が本体で、スマートフォンの映像をそのまま大きなスクリーンに映すことができる

 サンダーバードの中でも一番人気の2号がキャンパーになったら、絶対にかっこいいはず。次回作、期待しています!
みんなの遊べる軽トラ

●車種=ダイハツ ハイゼット トラック●年式=2019年●駆動方式=パートタイム4WD ●トランスミッション=4AT●走行距離=3,642 ㎞

みんなの遊べる軽トラ

キャンパー/●キャビン構造=軸組工法●構造部材=合板● 完成日=2019年10月● 外部仕上げ[ 屋根材=ガルバリウム鋼板/外壁材=サイディング]●内部仕上げ[内壁=スギ板]●製作費=40万円

<写真/林 紘輝> <取材・文 後藤 聡> 軽トラと近代建築とひとり旅を愛するライター。3年前に訪れたスリランカでは、日本の中古車がボディの文字を消すことなくそのままの状態で多数走っているのに驚かされる。どんな“前職”と出会えるのかが、旅の間のひとつの楽しみだった。
1
2
みんなの遊べる軽トラ

多彩な遊び方、DIYキャンパー、オフロード走行…… 世界に誇れるジャパンクオリティ「軽トラ」の魅力を深堀りする!
【関連キーワードから記事を探す】