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年末年始に「ヤミ帰省」を目論む人たち。水道業者を装う場合も

大学1年生の息子をなんとか帰省させたい

駅 コロナ禍で一番「割りを食った」存在としてメディアでも取り上げられてきたのが、今年4月に大学入学した新1年生たち。  徳島県在住の自営業・野島文子さん(仮名・50代)の一人息子は、東京都の私立大学1年生。3月に親元を離れたが、コロナの影響で授業もない、サークルもない、バイトすらできず、かといって実家に舞い戻ることも不可能で、青春の貴重な1年間を棒に振ったと嘆く。 「東京は息子の憧れでしたが、ほとんど一人暮らしのアパートから出ていない。実家に戻ろうとしましたが、田舎なので近所から何を言われるかわからない。別にマザコンではありませんが、さすがに家族が恋しくなってしまったのか、電話口で泣いていました。正月は絶対に帰省したいと言っていたし、私もそう思っていたんです」(野島さん、以下同)  政府も報道も「年末の移動は控えよう」とアナウンスしており、帰省すればご近所の目も厳しそうであるが……。

コロナ禍の帰省は、まさに「命がけ」

「息子が帰ってきたら、以前使っていた子供部屋を使うでしょう? 光が漏れるといけないから雨戸を閉めようと思いますが、急に閉じっぱなしにすると不自然だから、1週間くらい前から閉めっぱなしにする。お父さんは、マスクの他にニット帽とロングコートも買って、出かける時の変装用に、と準備している。食事も全て出前で済ませる予定で、その予約もすでに取っています」  単なる帰省もまさに「命がけ」。絶対に帰りたいという気持ちはわからないでもないが、そこまでしなきゃいけないものかと思わずにはいられない。<取材・文/森原ドンタコス>
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