更新日:2021年01月23日 12:43
ライフ

関西人の間で「知らんけど」が流行るワケ。日本語研究者に聞いてみた

「普段のおしゃべりでは、話7、8割程度で聞く」

 生まれも育ちも関東出身の筆者が戸惑うのも無理はないことが、金水氏の話で分かった。そういった独特なニュアンスを知った上で、ではどう対応するのがいいのか。  仕事上の付き合いとプライベートでは分けて考えるのが適切といい、関西出身の金水氏も仕事ではそういった曖昧な表現を使うことは避けている。ただ、気心の知れた家族や友人との間では、会話が弾むと口から出ることもしばしばだ。 「関西人なりに会話を盛り上げるために話しているとはいえ、知っていることもなければ話はできません。普段のおしゃべりでは、話は7、8割程度で聞き、むやみに信じすぎてはいけません」

筆者(私)、会話を楽しませる心配りと受け流す処世術を学ぶ

 取材を終えて「知らんけど」への戸惑いや不快感は、なくなっていた。会話を楽しませようとする気配りやふんわり受け流す処世術を学び、関西独特の表現の魅力にうらやましさすら感じた。新型コロナウイルスの影響で友人と対面する機会はなかなかない中だが、今度会った時にでも思い切って使ってみよう。いつかはまだ、知らんけど。<取材・文・撮影/カイロ連> 【金水敏(きんすい・さとし)】 1956年、大阪生まれ。大阪大学大学院文学研究科教授。日本語文法の歴史的文化や話し手の人物像を想起させる言葉遣い「役割語」について研究している。主な著書は『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』(岩波書店、2003)、『役割語研究の地平』(くろしお出版、2007)、『役割語研究の展開』(くろしお出版、2011)、『コレモ日本語アルカ?――異人のことばが生まれるとき』(岩波書店、2014)
新聞記者兼ライター。スター・ウォーズのキャラクターと、冬の必需品「ホッカイロ」をこよなく愛すことから命名。「今」話題になっていることを自分なりに深掘りします。裁判、LGBTや在日コリアンといったマイノリティ、貧困問題などに関心あります。Twitter:@hokkairo_ren
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