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肥田舜太郎「内部被曝に負けない体の作り方」

肥田舜太郎

肥田舜太郎/1917年広島生まれ。医師。広島市への原爆投下により自身が被ばく、その後6000人以上の被ばく者の救援・治療にあたる。3月19日に『内部被曝』(扶桑社新書)を上梓

 原発事故で、大量の放射性物質が日本中にバラ撒かれた。“1億総被曝時代” となった今、95歳の肥田舜太郎医師の言葉に耳を傾けたい。肥田医師は、広島市への原爆投下により自らも被爆。その後、6000人を超える被爆者を診てきた。67年間にわたる経験から見出した「内部被曝に負けないカラダの作り方」とは?

 低線量被曝・内部被曝」の本当の恐ろしさは、数年後、数十年後にその影響があらわれるところにあります。飲食や呼吸で体内に取り込んだ放射性物質は、内側からじわじわ体を蝕んでいくのです。広島・長崎の原爆でも、直接爆弾に被弾したわけではないのに、多くの人が原因不明の症状に苦しみながら亡くなりました。

 実は「高線量×短時間被曝」よりも「低線量×長時間被曝」のほうが、より細胞組織を壊してしまうという実験結果が数多くあるのです。

――それでは、この内部被曝を防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか。

 子供や妊婦のためにはできるだけ安全な食べ物を確保するべきだと思いますが、私たち全員が1年に1000食以上、完全に安全な食べ物を食べるというのも無理な話です。であれば、唯一の方法は「放射線に対する免疫力を弱めない」ことしかありません。

 そもそも「生きる」ことは「放射線と闘う」ということです。約40億年前に地球に生命が誕生してから多くの生物が紫外線と放射線で死に、奇形もどんどん生まれました。しかし長い年月を経て進化を続け、私たちは放射線に抵抗する免疫を高めてきたのです。

 その免疫を弱めないためにいちばん大事なことは「早寝早起き」です。そしてたっぷり時間をかけながらよく噛んで食事をすること。発酵食品で使われる微生物も、人間同様に放射能と闘いながら進化してきました。微生物が生きている発酵食品を積極的にとることもよいでしょう。また、カロリーや塩分を摂りすぎず、腹八分目を心がける。偏った食事をせず、野菜を中心にできるだけ多くの種類の食べ物を少しずつ食べましょう。
 
 これらは一見簡単なことのように思えますが、多くの人は実行していません。その結果、先祖から引き継いできたせっかくの免疫力を弱めてしまっているのです。 <取材・文・撮影/田中裕司 北村土龍>

内部被曝

95歳、肥田舜太郎医師の言葉




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