仕事

SNSで保護者とのやりとりに疲弊する教員たち「いっそ禁止してほしい」

保護者と喫茶店に行ったことがSNSに書かれて…

スマホ 東京都内の私立中学教諭・佐々木順平さん(仮名・40代)も、保護者とのSNSでのやりとりをきっかけに、思わぬトラブルに巻き込まれた。 「子どもについて思い悩んでいるというお母さんに呼び出され、近くの喫茶店でお話をしたんです。私としては、仕事のつもりで、それ以上のこともそれ以下のこともなかったのですが、お母さんが後日、私とマンツーマンで喫茶店に行ったのだとSNSに書いてしまったんです」(佐々木さん、以下同)  佐々木さんとしては良かれと思ってやったことだが、他の保護者から見ると「贔屓」に見えてしまうのか、複数の保護者からクレームが寄せられたという。学年主任に報告し、謝罪をしたというが、佐々木さんは叱責されるわけでもなく「平等にしなさい」とアドバイスを受けた。

寝る間も惜しんで保護者と「コミュニケーション」

「思春期の生徒と教員のやりとりは“間違い”が起こる可能性があって危険だが、親御さんとのやりとりはするべき、と学年主任が黙認してしまったんです。そのおかげで、私を含めた教員たちからプライベートな時間がなくなりました。朝から晩までひっきりなしに連絡がきて、返さなければトラブルにもなる」  もともと、ほとんど休みがなかったという佐々木さん。平日は授業やその準備、休日は部活指導やテスト問題作成、生徒の学習計画、進路指導などに翻弄され、心からゆっくり休めるのは月に一度もない。そこに「保護者とのやりとり」という重すぎる業務が課せられた。寝る間も惜しんで「コミュニケーション」を取らざるを得なくなっているのである。  いまやSNSを仕事に活用する人も少なくないが、プライベートとの境界線が曖昧になってしまうことも事実。現場では課題が山積み。生徒、保護者、教員。それぞれの立場で悲劇が生まれぬことを願う。<取材・文/山口準>
新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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