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『進撃の巨人』ジャンはなぜ調査兵団に入団したのか?

死者の思いをつなぐ

 ジャンとマルコの関係は「故人と生人」です。親しい人との死別は、強い悲しみをもたらします。そのせいで仕事や生活に対して無気力になることもあります。その悲しみを乗り越えるために行われるのが「継承」です。  死にゆく人が想いを託し、残された人が想いを受け継ぐ。この継承によって、死者と生者の間に横たわる隔たりが取り結ばれ、生者は悲しみから立ち直って、前に進めるようになります。  多くの場合、故人は遺言という形で想いを託しています。しかし、突発的に亡くなった場合、はっきりとした遺言を残せません。このとき、残された人は故人の生前の言葉や行動を思い出して、遺言の代わりにします。それが「偲ぶ」という行為です。訓練兵団にいた頃のやりとりを思い出したジャンの体験も、これに当てはまります。 『進撃の巨人』はフィクションです。巨人に襲われることは現実ではありません。しかし、故人と向き合う機会は誰にでもあります。どんな人間もいつか必ず死ぬからです。現実において、人の死は無意識に遠ざけられています。その遠ざけられたものに触れる機会として、物語では死別が頻繁に描かれています。 佐々木
コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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