風俗、ギャンブル、借金etc.「ダメ男の流儀」を爪切男×鈴木もぐらが語る
クズの生き方は“ほどほど”なのか?
もぐら:一生懸命なところはもちろんあると思いますよ。でも、「この世にはどうしようもないことがある」ってパチンコから学んだんですよ。
爪:そうですね。どんなに負けても、翌日また札を入れてハンドルを握る、あのピュアな気持ち……。
もぐら:パチンコはハマるものなんで、自分のせいじゃないんです。理不尽に降りかかってくる不幸はこの世にいっぱいあるんですよ。それを真っ正面から全部受け止め切れないじゃないですか。
爪:そう。釘とかデータ見て、考えて、あとは天命を待ちます。
もぐら:例えば、玉が出そうな台に座るおじいちゃんに張りついて、いなくなったらすぐタバコ置いて横取りするとか、そこまで非道なことはしたくない。それは僕なりの尺度ですけど、そういう部分が必死じゃないというか、“ほどほど”に見えるのかもしれませんね。
「僕らみたいなのが、真面目な人のクッションになれたらいい」
爪:逆に、何でも全部自分のせいだと考える人にパチンコは向かない。「今日はきっと素晴らしい日になる」って無邪気に考えられる人間がパチンコに通うんです。
もぐら:僕らみたいなのが、真面目な人のクッションになれたらいいですよね。素敵な大人って、自分の物差しで線引きができる人じゃないかと思うんです。「どんなに負けても、パチンコは楽しいからやめたくない」っていうのが僕の物差しなわけですよ。
爪:そうだ、「素敵な大人になりたくて」って帯文をくださいましたよね。でも、そのためになぜ「ちんこを握る」んですか?
もぐら:僕にとっては、ちんこが物差しだったと言いますか……。テレビの仕事で、ぴっちりした衣装だったとき、ちんこのシルエットが出ていないか「クレームが来ないよう事前確認させてほしい」って制作さんに言われて。見せに行ったら、「あ、これだったら全然大丈夫です!」ってあっさり言われました。そのときはやっぱり、「俺のちんこはこんな素通りされるようなものなんだ」ってセンシティブに考えてしまいましたね。他の人からするとなんでもなくても、自分にとっては大事じゃないですか、ちんこって。だからこそ、自分のちんこを握って考えてみてほしいんです。
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“ほどほどに生きる”とは、自分の尺度を持ち、そこに正直であることだ。たとえクズと呼ばれようとも、今日を楽しめたなら「素敵な大人」と言えるのかもしれない。
【爪 切男】
’79年生まれ。作家。『死にたい夜にかぎって』でデビュー。近著に『もはや僕は人間じゃない』、『働きアリに花束を』。4月26日に『クラスメイトの女子、全員好きでした』を発売
【鈴木もぐら】
’87年生まれ。お笑いコンビ・空気階段として活動。もぐら扮する”変なおじさん”のコントが人気。TBSラジオ『空気階段の踊り場』が毎週月曜日24時より放送中。空気階段初の単独ライブDVD『anna』が5月19日発売
<取材・文/小西 麗 撮影/髙橋慶佑>
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『働きアリに花束を』 爪切男が紡ぐ「勤労エッセイ」
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