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コロナで増えた「夜のモンスター客」にキャバ嬢たちが大ブーイング

同伴をだまし討ちする客

 また、マユカさんは「店に来れないからと言って、やたら連絡をとってきたり外で会おうとするウザ客は増えましたね」とも語る。つい先日はこんなことがあったようで……。 「先日までの時短営業中、うちの店は時間を守って同伴客のみの完全予約制にしていたんです。ある客から『メシ、行こうよ』と誘われたので、同伴だと思って店に予約をお願いしていたんです。そして当日、食事をして店に行こうとすると、客が突然『店に行かなきゃダメ?』と言い出したんです。  店にも話しているし……と言うと、『今、コロナだし怖いじゃん。それにこの後、約束があるんだよね』と。え〜、だって、私と同伴の約束してるのになんで?って。聞けば、知り合いと飲みに行く約束をしているというんです。最終的に店の人から説得をしてもらい1時間だけ来てもらいましたが……。コロナを言い訳に店に来ないくせに外で会おうとするようなクソ客は二度と来ないで欲しいですね」

身の恐怖を感じたことも……

 迷惑客はキャバクラだけにあらず。関西の某スナックの38歳のママは「少人数営業で増加した迷惑客」について語った。 「通常、私と女のコ2~3人で営業するんですけれど、コロナで暇になってからは私1人で店を開けることが増えたんですよ。なるべく密にならないよう予約制にしているので、お客さんと2人きりになることも多いんですよ。2人きりになると他客の目がないせいか暴走するお客さんもたまにいまして……。口説いてきたり詰め寄られることも多々あります。  つい、先日も『ホテル行こうや』としつこく言われて、いつもなら『また、そんな冗談言うて~』と軽く受け流すんです。でもその日はお客さんもかなり酔っていたようで目が座っていて……。他に誰もいないし、あの時は思わず身の危険を感じましたね」  密を避けようとキャストや客を減らしたことで、監視の目がないことを幸いに暴走したというわけである。話を聞かせてくれたママはその客を無理やり帰らせて難を逃れたというが、少人数営業にはこのようなリスクも生じてくるのだろう。男女間で成り立つ水商売の世界、コロナ禍で暴走する迷惑客は今後も後を絶たないのかもしれない。 〈取材・文/カワノアユミ〉
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在は夜の街を取材する傍ら、キャバ嬢たちの恋愛模様を調査する。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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