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中年が抱く生きづらさの正体とは?職場、家庭に「居場所がない」と感じるワケ

妻とのレスで、一生温もりとは無縁に

イケてる中年

妻から異性として見られていない中年男性は4割近くに上る。「感謝をしない妻もダメですが、給料を渡しているのだからHできて当然も違う」(高草木氏)

 Q3「家庭で辛いことは何ですか?」から家庭の生きづらさに目を向けると、もっとも多かった回答が「妻とのレス」だった。 「妻とはここ10年間レスで、お金もないので風俗に行ったり不倫することもできない。自分はこのまま女性の肌の温もりを感じることなく一生を終えるのかと思うと気持ちが塞ぐ」(50歳・小売り)といった悲痛な声が寄せられた。夫婦問題カウンセラーの高草木陽光氏は、こう話す。 「辛辣なことを言うようですが、家庭を顧みず、寄り添うことを怠った結果でしょう。もし家事・育児を妻に丸投げしてきたのであれば、夫はいない人と同じ。家事・育児を任せて成立するのは、それだけの収入があってこそです。  妻も女性ですから、体を許すには『頼りになる』『大切にしてくれる』などの安心感が必要。まずは、どう信頼回復するか。妻をもう一度口説く気持ちで、地道に積み重ねるほかありません」

生きづらさの根底にあるものとは

 こうした悩みの背景を、大塚氏は「社会的な問題」と指摘する。 「諸悪の根源は収入が少ないこと。自分たちよりも上の世代は『働いていれば管理職になり、それなりの給料をもらって戸建てに住み、子供を育てながら飲み歩いたり、趣味に生きたり』という余裕がありました。  しかし、40代、50代の半数以上が年収600万円未満となった今、そうしたライフモデルは実現不可能です。ところが、男女間の雇用格差が残っている世代でもあるので、家計における男性の責任は依然として重い。  結果、給料は上がらないのに、住宅ローン、教育費、老後資金など『稼ぐこと』へのプレッシャーばかりがのしかかるという悲惨な状況です」 Q4「プライベートで辛いことは何ですか?」でも「お金がない」が圧倒的な生きづらさの根源に。だからこそ、我々中年は「お金に頼らないイケてる生き方」を真っ先に見つける必要があるのだ。
イケてる中年

「経済的余裕がなくなれば、心の余裕もなくなり、誰しもが自分のことで精いっぱい。収入の低下はプライベートの危機に直結しています」(大塚氏)

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豊田義博氏

【ライフシフト・ジャパン取締役 豊田義博氏】 リクルートワークス研究所特任研究員。高知大学客員教授。共著に『実践!50歳からのライフシフト術―葛藤・挫折・不安を乗り越えた22人』(NHK出版)など
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大塚 寿氏

【ビジネスコンサルタント 大塚 寿氏】 エマメイコーポレーション代表取締役。著書に『できる40代は、「これ」しかやらない 1万人の体験談から見えてきた「正しい頑張り方」』(PHP研究所)など
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高草木陽光氏

【夫婦問題カウンセラー 高草木陽光氏】 HaRuカウンセリングオフィス代表。カウンセリング数は8000人超。著書に『なぜ夫は何もしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか』(左右社)など <取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/髙橋慶佑 アンケート協力/パイルアップ>
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