学校内でもトップクラスに頭のいい秀才の藤井遼くんという生徒が登場するのですが、彼は非常に性格が悪いのです。 　元落ちこぼれたちの東大受験チームである「東大専科」のメンバーにしばしばちょっかいをかけては、「どうせお前らは東大に受からない」と見下した発言ばかりします。 　さらには優しく声をかけてくれた担任の先生に向かって「この三流大学が！」とはねのけてしまうほどです。彼は、原健太くんという発達障害の傾向がある生徒に対しても「生きる価値がない」と誹謗中傷をやめませんでした。 　にもかかわらず、いざテストの点数で勝負をしてみた結果、学年トップであったはずの藤井くんは、原くんにテストの点数でボロ負けしてしまいます。 　原くんは机に座っての「お勉強」は苦手ですが、自分の好きなことや興味のあることに対する集中力は誰にも負けない才能を持っていたのです。 　藤井くんが原くんを見下していたのは、いつも教室の外で虫を追いかけている姿しか見ておらず、「それしかできない」と強く思い込んでいたことが原因でした。 　しかし、実際は藤井くんを大きく上回るポテンシャルを原くんは持っていたのです。