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パワハラとも違う「クラッシャー」上司とは?部下の精神を潰しながら出世していく

上司の執拗な説教でうつ病に

クラッシャー上司 Twitterで時折クラッシャー上司からの被害をつぶやいている「ずにあ」氏@ji0nze・39歳)は、長年同じ病院で事務職に携わっているが、その間に3人のクラッシャーと遭遇。1人目は何とか耐えたが、2人目のときはうつ病を発症し、2度の休職に追い込まれてしまった。そして今現在、3人目のクラッシャー上司と戦っている。 「仕事のできる上司ですが、それだけにミスに厳しく『なぜ仕事の仕方がわからないのか』と、人間性が壊れてしまうほどネチネチと責め上げてくるんです」  クラッシャーは身体・言語的暴力を振るわない代わりに、執拗な干渉や説教で恐怖支配を行うのだ。  度重なる経験から、ずにあ氏は現在、クラッシャー上司の定義をスタッフと共有し、全スタッフによる360度の上司評価を提案しているという。

「正論」の押し売りが部下の心を潰していく

 一方、一人で悶々と悩み心を壊してしまうケースもある。橋田健太さん(仮名・35歳)は現在うつ病の治療で自宅療養中だ。原因は「一生勤めるつもり」だった有名企業で遭遇したクラッシャー上司。 「彼はおそらく、私の能力を高く評価してくれていたのだと思います。『お前ならできる』と常に叱咤激励し、未熟な私に責任ある仕事も任せてくれた。しかしミスをすると静かに延々と説教され、その後は必ず仕事量が増える。『君を鍛えるためだ』と言っていたが、私にとっては罰ゲーム以外の何ものでもありませんでした」  そのうち布団から出られなくなり、食欲もなくした。周囲の勧めもあって会社を辞めたが、当然、上司からの謝罪はなかった。 「心身の健康に支障をきたして通院することになった際の労災申請では、周囲がどのくらいハラスメントを認識していたかも考慮されます。現在、各企業に導入されているのはパワハラ防止法に基づく対策ですが、加害の自覚がないクラッシャー上司の実態に関しても人事に相談しておいたほうがよいでしょう」(道喜氏)
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反論できず、泣き寝入りすることも
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