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タピオカブーム火付け役の今。「フルーツティー」戦線が激化中

コロナ禍で「タピ活」終了、タピオカ店の明暗分かれる

タピオカミルクティー

春水堂の人気商品「タピオカミルクティー」

 そして、「ゴンチャ(Gong cha)」や「ジアレイ(THE ALLEY)」、「ココトカ(CoCo都可)」に代表される台湾発のタピオカブランドが続々と日本に進出したことで、空前のタピオカブームを巻き起こすことになる。  メディアもブームの過熱ぶりを取り上げ、「タピる」「タピ活」という言葉が流行ったことで、社会現象にまで発展した。  しかし、大手飲食チェーン店やコンビニがタピオカドリンクを扱うようになると、競争は激化。生き残るのが厳しくなり、中途半端なお店は淘汰されていく状況になった。  さらにコロナ禍が追い討ちをかけ、ティースタンド型の専門店も閉店が相次いだ。  タピオカ屋から撤退する事業者も多いなか、何が明暗を分けた理由になっているのか。 「タピオカミルクティーが流行った最大のポイントとしては、飲み歩きできることでした。美味しくてインスタ映えするタピオカドリンクを求めて、話題のお店へ足を運び、おしゃれに写真を撮る。そして、飲みながら街を歩くのが『タピ活』の醍醐味であり、ブームの象徴だったんです。  それが、コロナ禍で外出自粛やマスク着用が推奨されたことで、タピオカドリンク片手に街を練り歩くことができなくなった。過熱しすぎたブームはいつか陰りが来ると思っていましたが、コロナ禍で一気に早まったと感じています」

タピオカブームのおかげで、アレンジティーの認知度が高まった

アレンジティー

春水堂が提供するアレンジティー

 他方、春水堂は当初からイートイン、テイクアウト両方対応できる店舗を運営してきたことや、幅広い客層向けに品質にこだわった商品を展開してきたのが、今でも愛され続けている所以だという。 「店舗の空間はポップでかわらしいものではなく、万人受けするようなシックな内装にし、幅広いお客様が利用できるお店づくりを心がけていました。また、お茶屋としての自負を持ち、多種多様な茶葉を使用したアレンジティーを数多く提供してきたのも、春水堂の強みになっています。  日本人はお茶が好きで、日頃からお茶を飲む習慣があるため、アレンジティーはその受け皿になると当初から考えていました。タピオカブームのおかげでアレンジティーの認知度が高まり、お茶の飲み方も多様化しつつある。まだまだお茶市場は伸びていく可能性を秘めていると感じています」  若者の熱狂的なタピオカブームが沸き起こったのも、飲み物としての完成度の高さはもとより、お茶の魅力を引き出したアレンジティーだったことが大きいという。
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「ポスト・タピオカ」は?
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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