コロナではシンプルな発想が強かった
井村:普段投資をやっていない人でも、シンプルな発想で勝てましたからね。素直にBASEに突っ込めばテンバガーだったわけだし。
ガリ:はじめに「これ来るねん」て思ったら、周囲に惑わされず、信念貫いた者勝ちみたいな。
井村:そうそう。逆に老練な投資家ほど動けなかった印象です。僕も芸人の頃の後輩から「今って株買うときですか」って連絡が来たり、今までにないくらい証券口座の開設申し込みが殺到していると聞いて、申し訳ないけど「素人が入ってくるってことはまだ、底は先だろう」と思ってた。結局はみんなの判断が正しかったんですよね。こういうチャンスは滅多に来ないけど、今後も5年10年と頭の片隅に置いておいて、ガリクソンさんが悲鳴を上げるくらい市場が大きく下がったときが、チャンスなんじゃないですか?(笑)
ガリ:僕がゲロ吐いてるときこそ全力買いで(笑)。
井村:この手の取材で相場観ってよく聞かれるけど、自分は相場観持たないから知らん(笑)みたいな。それがわかるなら先物やりなさいよと思う。僕はわからないから、個別で見てわかるファンダメンタルズを突き詰めてる。だけど大局観はあってもいいかな。
ガリ:どんな大局観を持たれてます?
井村:自分は10年後を予想すると、日経平均は3万円じゃなくて、もっと上だと思うんです。それを計る“問い”があって、「20年後、街に空飛ぶ車が飛んでいるだろうか」みたいな。どう思います?
ガリ:飛んでないかも? 「法規制がー」とかなりません?
井村:まあでも、どっかしらの国が飛ばしてそうじゃないですか? そうすると「アメリカ飛ばしてるけど、トヨタはいいの?」となって、空飛ぶ車の部品を作る会社の株が噴き上がったりする。そのときの世界ってもう日経平均3万円じゃないと思うんですよ。
ガリ:日経平均10万円とか。
井村:要はテクノロジーが発展して社会が豊かになるかって話だけど、自分はそれを信じるから、マーケットにベットし続ける。
ガリ:未来は芸人もボケのパターンや間なんかをAIに全部解析されて、要らなくなるかも……。
井村:自分の写真集の在庫を爆破するクレイジーな発想はAIから絶対出てこないから、ガリクソンさんは安泰ですよ(笑)。
【ガリガリガリクソン氏】
本業である芸人の傍ら、’19年から元手36万円で本格的にデイトレードをスタート。5月30日にグラビア写真集『Yonta Fe -fatboy slim-』を自費出版した
【井村俊哉氏】
Zeppy CEO。’11年に元手100万円で株式投資に本格参入。’17年に1億円を達成。YouTubeチャンネル「Zeppy投資ちゃんねる」やメディア出演などで活躍中
取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/恵原祐二