カーライフ

クルマを「借りるではなく所有したい」という欲求の根源を探ってみる

「クルマ=イケてるもの」という刷り込み

 そんな「憧れのクルマ」「かっこいいクルマ」「クルマっていいなぁ〜」を羨ましく指を加えてみていたのがロスジェネ世代。華やかな大人達のライフスタイルを小学生・中学生だった彼らは「クルマ=イケてるもの」と脳裏にプリセットされてしまったわけです。 「いつかはいいクルマが欲しい」「そしたら女性にもモテちゃったりして」という、まったくロジカルでない深層心理がベースに植え付けられてしまった彼らにとって、冒頭のような若者とのすれ違いトークは「なんで?」と感じる一因になっているのではないでしょうか。  そしてまたこのコロナ禍で、「29歳以下の実に約4割が新型コロナウイルスの感染拡大以降に車での移動が「増えた」、また今後(21年4月以降)に「増えると思う」と回答した」(出典:日経Xトレンド「『若者の車離れ』のウソ コロナ禍で変わったZ世代の実態」)というデータがあります。  保有するのは難しいけれど、カーシェアリングだけでなくサブスクやリースなど便利なサービスが後押しし、感染予防も手伝って新しいクルマの潮流が生まれてきているのかもしれません。昔のように「持ってたらモテる!」まではなかなかいかないまでも、「いつも素敵なクルマ借りてるね!センスいい!」といった具合に、借り方のセンスを称賛するような会話が生まれてきたりすると、それはそれで楽しいかもしれないですね。  あの頃のキラキラした時代を見てきたロスジェネ世代としては、憧れのクルマに乗れて、なおかつ懐にも優しいですしね。 <イラスト/押本逹希>
数々の雑誌を渡り歩き、幅広く文筆業に携わるライター・紺谷宏之(discot)と、企業の広告を中心にクリエイティブディレクターとして活動する森川俊(SERIFF)による不惑のライティングユニット。 森川俊 クリエイティブディレクター/プロデューサー、クリエイティブオフィス・SERIFFの共同CEO/ファウンダー。ブランディング、戦略、広告からPRまで、コミュニケーションにまつわるあれこれを生業とする。日々の活動は、seriff.co.jpや、@SERIFF_officialにて。 紺谷宏之 編集者/ライター/多摩ボーイ、クリエイティブファーム・株式会社discot 代表。商業誌を中心に編集・ライターとして活動する傍ら、近年は広告制作にも企画から携わる。今春、&Childrenに特化したクリエイティブラボ・C-labを創設。日々の活動はFacebookにて。
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