仕事

35歳以上のミドル転職で失敗する人の特徴。“対策”や“コツ”はあるのか

企業側は成果を“運んで”きてくれる人がほしい

「そもそもキャリアって“運ぶ”という意味ですからね。大学や過去の会社の看板は転職先に持っていけません。それまで自分が培ってきたスキル・経験・実績・人脈がものを言う。  要するに企業側は、自社に“成果”を運べる人がほしいだけなんです。  その人の過去の成果につながった要素と、自社で求めているポジションとの共通点を見極め、実際にどの程度の成果が期待できるかで採用の可否を判断しているんです」

転職の前に今の仕事を見直してみる

 とはいえ、今いる会社でキャリアアップにつながりやすい仕事に取り組めている人ばかりではないはず。むしろ「なんとなく転職したい」という人ほど、不満を抱えながら労働集約的な業務に追われているケースも多そうだが……。 「積極的に手を挙げて新しい業務をやるのは面倒臭いと思います。必ずしも今の会社で身を粉にして働けという話ではありませんが、『仕事量』と『キャリア(年収)』の間にはある程度トレードオフの関係があります。仕事量を一定まで増やさないと、キャリアも強くならないし、年収も上がらないんです。  仕事って、筋トレに似ていると思っていて。日々の業務を通して自分がどんなスキルを鍛えているのか意識したほうが伸びやすい。表計算の関数をいじったり、自動化するツールを調べて導入したり、小さなレベルの工夫を積み重ねていくことが実は大切です。自分なりに効率化を図って、空いた時間で自分にとってプラスになりそうな業務に取り組んでいくという流れが理想ですね」  35歳以上の転職は、さまざまな障壁があることを理解しておかねばならないだろう。社内には日々たくさんの仕事がある。それをいつも通りのやり方で漫然とこなすのではなく、意識を変えてみれば、何か糸口が見える可能性もある。あるいは、今の会社で新たなやりがいが見つかり、転職なんて考える必要もなくなるのかもしれない。 【株式会社UZUZ 専務取締役・川畑翔太郎氏】 1986年生まれ、鹿児島出身。高校卒業後、九州大学にて機械航空工学を専攻。大学卒業後、住宅設備メーカーINAX(現・LIXIL)に入社。1年目からキッチン・洗面化粧台の商品開発に携わるも、3年目に製造へ異動し、毎日ロボットと作業スピードを競い合う日々を送る。高校の同級生の誘いと自身のキャリアチェンジのため、「UZUZ」立ち上げに参画。第二新卒・既卒・フリーターといった20代若者への就業支援実績は累計2,000名を超える。 就活メディア:「第二の就活」 Twitter:@kawabata_career YouTube:「UZUZ就活チャンネル」 キャリア相談サービス:「ニューキャリア」 <取材・文/伊藤綾>
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
1
2
3
4
おすすめ記事