エンタメ

ラジオが“夜のお楽しみ”だった中年世代に今の「聴くメディア」は刺さるのか

復権の潮目はradikoから

 2000年代に入ると、我々ロスジェネ世代は社会人になり、生活者としてのメデイア環境も変わり続け、多くの人にとってラジオが生活のルーティンに入っていなかった気がします。FMラジオから流れる心地いい楽曲を聴きながら、気になるあのコとドライブ。こんなスタンスでラジオと接していた人も少なくないのでは?  その潮目が変わったのはradikoの登場(2009年)です。テレビや新聞などの旧来型メディアが自らインターネットサービスを展開する中、小回りが利く企業風土を活かし、全国のラジオ放送局が一致団結し、ラジオを電波ではなくインターネットで配信し始めます。  radikoという一つのプラットホームに集合してユーザーの利便性を高める動きに舵を切り、2016年秋からはタイムフリー機能もスタート。その結果、ラジオ番組そのものの存在感が増し、我々ロスジェネ世代はもちろん、幅広い世代でスマホとの親和性の高いradikoでラジオ視聴を再び楽しむようになります。例えば、通勤電車の行き帰りに、自宅でのデスクワーク中に。ながら視聴を楽しめるところもラジオ復権の追い風になっているようです。  ついにと言うべきか、やっと言うべきか、緊急事態宣言が解除され、規制緩和がはじまった今、家に籠る人が少なくなりはじめそうな気配です。コロナ禍の巣篭もり中に活況を迎えたラジオ&音声メディアは一過性のブームで終わってしまうのでしょうか。筆者個人としては”あの頃”の楽しさに再び開眼できたので、ラジオLOVE派でいたいと思っています。 <イラスト/押本逹希>
数々の雑誌を渡り歩き、幅広く文筆業に携わるライター・紺谷宏之(discot)と、企業の広告を中心にクリエイティブディレクターとして活動する森川俊(SERIFF)による不惑のライティングユニット。 森川俊 クリエイティブディレクター/プロデューサー、クリエイティブオフィス・SERIFFの共同CEO/ファウンダー。ブランディング、戦略、広告からPRまで、コミュニケーションにまつわるあれこれを生業とする。日々の活動は、seriff.co.jpや、@SERIFF_officialにて。 紺谷宏之 編集者/ライター/多摩ボーイ、クリエイティブファーム・株式会社discot 代表。商業誌を中心に編集・ライターとして活動する傍ら、近年は広告制作にも企画から携わる。今春、&Childrenに特化したクリエイティブラボ・C-labを創設。日々の活動はFacebookにて。
1
2
3
おすすめ記事