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厚切りジェイソン、いつの間にか“FIRE”を達成していた「私ほどケチな人を知りません」

仕事とお笑いを両立させながら、これまで着々と投資を行ってきた厚切りジェイソン氏。現在は、家族を一生養っていけるほどのお金を蓄え、“FIRE”を達成している。そんな彼に、ジェイソン流一生使える投資の原則について、語ってもらった。

お金に無頓着で生活できる人の気がしれない!

 アメリカ人は一般的にもマネーリテラシーが高いと言われている。しかし、それは我々日本人の単なる思い込みのようだ。お笑いタレント兼IT企業役員であり、お金や投資に関する著書も発表した厚切りジェイソン氏は語る。

「アメリカ人のなかにも、借金まみれで永遠に返済で苦労しているような人は多い。そこに日米の差はありません。僕としては、そういうお金に無頓着で生活できる人の気がしれませんが」

 とはいえ、アメリカでは古くから多くの企業が社員の資産運用をサポートする確定拠出型年金制度を導入していることもあり、日常的に株や為替をトレードしている人は少なくない。現にジェイソン氏の父も、経済的にはミドルクラスだが、お金の管理を徹底していたという。

「父からお金について教えられたことは一つだけ。1億円相当のドルをもらったときに、それを使い切るのも一つの選択だが、資産運用をすれば毎年600万円を永遠に手にすることができる、と」

日本の家計では、株式や投資信託にお金を回す割合が15%程度だが、アメリカでは40%以上。アメリカでは、株式投資や株投資にお金を回したほうが利益を得られるという考え方が浸透している

三人の娘に渡した手書きのノート通帳

 また、母親がいつも割引券やセール品を探している節約家だったことも大きく影響している。「ムダなものにお金を使わない」という考え方が染みついたジェイソン氏は自身の三人の娘さんたちにも、幼いうちから資産運用の仕組みを伝授。手書きのノート通帳を作りお金の管理を学ばせてきたのだとか。

「もらったお年玉の額を記入させ、1年後の残高に対して10%の利子をあげています。子供たちが3000円のゲームを買ってほしいとねだってきたときも、『今3万円の貯金があるんだから、年を越してから買えば、利子だけでなんの損もせずにゲームができるよ』と教えてあげるんです。そしたら、娘は『そっちのほうがいい!』と納得してくれます」

 大人になってからも使えるマネーリテラシーを子供のうちから養うことは、重要であると言えよう。

「一度も利回り6%を下回ったことはない」

 ジェイソン氏の投資法は極めてシンプルだ。「決めたことをやり続ける」──それ以外にはない。

「具体的に言うと、私は毎週必ずETFの投資信託を購入しています。個別の銘柄の株は絶対に買いません。この方法で投資を始めて20年というスパンで見れば、一度も利回り6%を下回ったことはないのです」

世界恐慌、ブラックマンデー、同時多発テロ、リーマン・ショックと過去に何度か大暴落を経験したアメリカ株だが、必ず復活し現在も右肩上がりで成長している

 そのように、長年資産を積み上げてきた結果、ジェイソン氏は、すでに経済的自立“FIRE〟を達成している。

「でも達成しているから裕福というわけではなく、使うお金が少ないから最低限の生活費で満足できるだけです。私にとってのFIREとは、“自由”です。『生活のために働かなければ』という意識が薄まり、その分だけ日常のストレスがなくなっていく。その自由さを投資で増やすという感覚ですね」

 しかし、そんなジェイソン氏にもあえてした“借金”が存在する。それは、自宅を購入した際の住宅ローンだ。

住宅ローンは状況次第でしてもいい借金なのか?

「賃貸の家賃があまりにも高かったので買う選択をしました。計算してみると、30年ローンが完済するまで家を持ち続けていたら建物・土地すべてを捨てたとしてもプラスだったんです。都内の土地がタダになることはないので、少なくとも購入時の半分くらいの価値は残るのではないかと。そうすると、その分だけ家賃を払うよりも得することになります」

 もちろん、金銭的問題を抱えていれば、賃貸でも十分だろう。だが、家を買ったほうが得をすることもあると、ジェイソン氏は語る。

「自分に合わせたシミュレーションを行うことが必要です。感情ではなく数字で考えてみてください。2000万円の30年ローンを組んだ場合だと、月々の返済額が5万円くらいです。でも同時に2000万円の資産運用をしていて、その金利が5%だったとすれば、月額8万円以上の儲けになります。ローンが資産運用だけでまかなえる上に家まで残る。そうなれば、家は実質無料。つまり借金しているのに儲かるということ。住宅ローンはしても良い借金と言えるでしょう」

一番大事なのは「分散」と「長期」

 では、これから投資を始めたい人は一体どういった点に気をつけるべきなのだろうか。

「一番大事なのは『分散』と『長期』。いろんな銘柄の入った投資信託を10年間隔でやっていくのであれば失敗することはまずないでしょう。また、不動産などの流動性の悪いものへの投資は避けるべきです。必要なときにすぐ売れるものが私は好きですね」

 とはいえ、節約にしろ投資にしろ、まずは自分が行動を起こすことを心に決めないと始まらない。

「消費を幸せに感じている人は、それを貫くのも生き方の一つだと思います。しかし、少しでも疑問を抱いているのであれば、考え方を変えたほうがいい。財産をつくりたいと考えているなら、節約も投資もせずにいるのは効率的ではありません。結局は何が欲しいのかにかかっていると思います」

「私は私ほどケチな人を知りません」

 実はジェイソン氏は、物を買って幸せな気持ちになったことはあまりもないそうだ。それよりもお金を得ていると実感することが何よりの幸せだという。

「私は私ほどケチな人を知りません。でも、お金を得ることは自分の人生の開放感に繫がります。皆さんが私と全く同じことをする必要はありませんが、少しでもこのバランスを取り入れてHAPPYになってほしいですね」

 自分に合った投資術を見つけ、経済的自由を確保することで、お金に不安を抱かない生活を手に入れよう。

厚切りジェイソン的投資の金言
お金を使う時は、世の中や感情の流れに任せず、数字から判断しよう

【厚切りジェイソン氏】
’14年からIT企業役員兼お笑い芸人として活躍。自身の投資哲学について語った新著「ジェイソン流お金の増やし方」(ぴあ)が、11月12日に発売された

取材・文/¥SPA!編集部 撮影/我妻慶一 図版/ミューズグラフィック

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