お金

イェール大学助教授・成田悠輔「日本の年金は複雑、国民に気づかれないように負担増」

厚生年金の保険料率が上昇

年金 厚生年金を例に挙げると、月額平均受給額は団塊ジュニア世代が若手社員だった’00年ごろをピークに下落。給料に占める保険料率も当時は13.58%だったのに現在は18.3%まで上昇している。 「この世代は払い始めたころは60歳からもらえるはずだったのに段階的に引き上げられ、自分たちがもらえるのは69~70歳。さらに年金だけじゃ足りないから2000万円の老後資金が必要だと40代になってから言われるようになり、今や広く認知されているiDeCoやつみたてNISAといった私的年金も彼らが就職したころにはありませんでした。  団塊ジュニア世代にとっては、若いころと現在では年金を取り巻く状況があまりに違い、人生設計や老後のライフプランにも変更が生じてしまった。かといって受給が始まるまで20年以上もあるため、逃げ切ることもできません」  単純に負担だけなら若い世代のほうが大きいが最初から損をすると知っており、諦めているとか。しかし、団塊ジュニア世代はバブル期にいい思いをした今の60~70代の成功体験を見て育ち、期待していたぶん、落胆も大きいという。 「年齢的にも中途半端で、若者ほど準備期間があるわけでもない。そういう意味では年金制度においては不幸な世代かもしれません」

世界が注目

 政府内でも以前から議論は行われているが、現時点では抜本的な改革案を講じることができずにいる。同様の年金問題はほかの先進国でも抱えていると聞くが、日本の手本となる国はないのか? 「現行の年金制度では、残念ながら誰も幸せになれる方法はありません。それに先進諸国では日本が最も危機に直面しており、いわば年金問題のフロントランナー。ところが、日本は他国の政策を取り入れたり、改良して導入するのは長けていますが、重要な政策を世界に先駆けてやったことがほとんどない。だから、どうなるか世界が注目しているんです」
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