「自殺未遂をくりかえす外国人も…」牛久入管の悲惨を、隠しカメラが捉えた
警備官の暴力が許される土壌
トーマス:映画のなかにある暴行シーンの映像は入管職員が撮影したものです。暴行を受けた人が今裁判に訴えていますが、国に映像提出をもとめ、入管が裁判証拠として提出し、暴行の様子が明らかになりました。映像を見てもわかるとおり職員のネームプレートには名前でなく、番号が書かれています。裁判でも彼らの名前は明らかにされず、入管側が、顔にぼかしを入れて個人が特定されないようにしています。つまり、警備官が暴力行為に及んでも、それを名指しで問い質されるようなことはありません。
――出入国管理及び難民認定法では、入管警備員は入国審査官が発行した収容令書や退去強制令書を執行することができ、国家公務員法上、警察職員と同じ扱いになっています。
つまり、収容、管理のための「有形力の行使」も認められていますが、それが度を超えて「暴力」になることを許容するシステムになっているということですね。
入管に収容された人=犯罪者という偏見
確かに、難民ではないのに難民申請をして日本にいようとする「偽装難民」の存在は否定できません。しかし、収容されている外国人がすべて偽装難民かというとそうではない。日本に家族がいたり、国に帰れば命の危険があるなど、やむを得ない事情があって、在留資格が更新できず、退去強制命令が出ている人もいます。
先程話したデニズさん以外にも、入管警備員に暴行を受けた人がいます。映画にも出てきますが、強制送還されそうになった経験を持つピーターさんと面会した際に、顎下に指を入れられるジェスチャーをしていました。このジェスチャーは、デニズさんのビデオに残されている暴行と全く同じアクションです。要するに、これは偶然ではないのです。入管警備員たちが、日頃からこういった訓練をされていることがわかります。
しかし、私は入管警備員たちを責める気はありません。彼らはルールに基づいて仕事をしているだけ。ただ、彼らにこういう行動をさせている入管のシステムや日本政府の姿勢はおかしいということを主張したいです。
ライター、合同会社インディペンデントフィルム代表社員。阪南大学経済学部非常勤講師、行政書士。早稲田大学法学部卒業。行政書士としてクリエイターや起業家のサポートをする傍ら、映画、電子書籍製作にも関わる。
記事一覧へ
記事一覧へ
【関連キーワードから記事を探す】
「国へ帰れ」過熱する外国人ヘイト、入管職員による暴行…このまま新・入管法を施行していいのか
「日本にいたい」と涙ぐむ子供たち。在留資格の特例からこぼれた子の苦悩
ウクライナ避難民8人が日本に。一方で“難民”を収容所にブチ込んでいる実態をどうするのか
「自殺未遂をくりかえす外国人も…」牛久入管の悲惨を、隠しカメラが捉えた
「入管法改悪に反対!」元収容者と当事者たちが緊急会見「人間として扱ってほしい」
この記者は、他にもこんな記事を書いています




