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<皐月賞>波乱を呼ぶ穴馬2頭を馬券の達人が解説。カギはローテーションと厩舎の関係

競走馬はアスリート、厩舎はコーチの関係性

 競走馬は生き物であり、人間で例えるならトップアスリート。どんなに優れたポテンシャルを持ったアスリートでも、調整を失敗すればその力を発揮することはできません。そして、競走馬の場合、それを管理するのは人であり、レースに出走する最後を預かる厩舎の存在は非常に大きな影響を与えます。  短い間隔で出走させるのが得意な厩舎もあれば、間隔をあけて出走させるのが得意な厩舎もあります。これは厩舎の育成方針からくる傾向であり、どちらが良い悪いということはありませんが、厩舎の特徴と今回のローテーションが合っているかどうかは重要です。  例えば、先日の大阪杯で1番人気を裏切ったエフフォーリア。管理する鹿戸雄一厩舎のローテーション別成績は下記の通りでした。 ■ローテーション別成績(鹿戸雄一厩舎限定) 連闘  勝率25.0% 連対率25.0% 複勝率50.0% 中1週  勝率7.2% 連対率14.5% 複勝率23.2% 中2週  勝率9.9% 連対率16.9% 複勝率25.4% 中3週  勝率5.1% 連対率12.3% 複勝率23.9% 中4週~中8週  勝率10.0% 連対率20.1% 複勝率26.9% 中9週~中24週  勝率8.4% 連対率12.8% 複勝率22.8% 中25週以上  勝率3.4% 連対率17.2% 複勝率20.7% (集計期間2019年1月5日から2022年4月10日まで 安井氏が独自に集計)  このように複勝率ベースでみると中4週~中8週がピーク。エフフォーリアの大阪杯は中9週~中24週に該当していたので、好走パターンとズレていることがわかります。

皐月賞出走馬で厩舎の得意間隔になっている馬たちは

 今回の皐月賞出走馬で休養明けとなるのはイクイノックス(木村哲也厩舎)、オニャンコポン(小島茂之厩舎)、キラーアビリティ(斉藤崇史厩舎)、ジャスティンパレス(杉山晴紀厩舎)あたりです。  そのなかでも人気を背負いそうなイクイノックスを管理する木村哲也厩舎ですが、同厩舎は間隔をあけたほうが成績の良い厩舎で、なんと半年以上の複勝率は42.9%を記録しています。およそ5か月ぶりとなるイクイノックスも、力を発揮できる状態で出走させることができるのではないかと予想できます。  キラーアビリティの斉藤崇史厩舎も間隔をあけたローテーションで仕上げるのが得意なので、こちらも問題ないでしょう。いずれもノーザンファーム生産馬ということも大きいですね。  ちなみに、個人的に今回の皐月賞でローテーション面から好走を期待しているのは、弥生賞から出走のアスクビクターモアとジャスティンロック。アスクビクターモアを管理する田村康仁厩舎は今回該当の中4~8週のローテーションで複勝率26.9%、ジャスティンロックを管理する吉岡辰弥厩舎は同32.7%といずれも厩舎の好走パターンのローテーションに該当しています。ポテンシャルを100%……いや120%発揮してくれることを期待しています。  どの馬が強いか? を分析するのと同じく、どの馬が万全の状態でレースに迎えるか? にもぜひ注目してください! 文/安井涼太
各種メディアで活躍中の競馬予想家。新刊『安井式上がりXハロン攻略法(秀和システム)』が11月15日に発売された。『競走馬の適性を5つに分けて激走を見抜く! 脚質ギアファイブ(ガイドワークス)』『超穴馬の激走を見抜く! 追走力必勝法(秀和システム)』、『安井式ラップキャラ(ベストセラーズ)』など多数の書籍を執筆。
Twitter:@RyotaYasui

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(秀和システム)

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